BPMを説明したものはどれか?

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  3. 平成26年度 秋期 午前 Ⅱ 問題の解答と解説

2022年3月27日作成,2022年4月16日更新

試験時間は 10:50 ~ 11:30(40 分)である。

問1 BRM (Business Reference Model)

エンタープライズアーキテクチャの参照モデルのうち,BRM (Business Reference Model) で提供されるものはどれか。

  1. ア アプリケーションサービスを機能的な観点から分類・体系化したサービスコンポーネントから成る,アプリケーションサービスの再利用を促進するためのモデル
  2. イ 業務分類に従った業務体系・システム体系と各種業務モデルから成る,組織全体で業務やシステムの共通化の対象領域を洗い出すためのモデル
  3. ウ サービスコンポーネントを実際に利用するためのプラットフォームやテクノロジの標準仕様から成る,組織全体での技術の標準化を促進するためのモデル
  4. エ 組織間で共有される可能性の高い情報について,名称,定義及び各種属性を総体的に記述したモデルから成る,情報の再利用・統合を促進するためのモデル

解答と解説

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【答え】

ア は SRM (Service Component Reference Model : サービスコンポーネント参照モデル) で提供されるモデルである。

ウ は TRM (Technical Reference Model : 技術参照モデル) で提供されるモデルである。

エ は DRM (Data Reference Model : データ参照モデル) で提供されるモデルである。

問2 IDEAL によるプロセス改善の取組み

IDEAL によるプロセス改善の取組みにおいて,図の b に当てはまる説明はどれか。

BPMを説明したものはどれか?
  1. ア 解決策を作り,その先行評価・試行・展開を行う。
  2. イ 改善活動の優先順位を設定し,具体的な改善活動を作成する。
  3. ウ 活動を分析してその妥当性を確認し,次のサイクルの準備を行う。
  4. エ 業務の現状を調査して可視化し,改善ポイントを明らかにする。

解答と解説

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【答え】

IDEAL とは,開始(Initiating),診断(Diagnosing),確立(Establishing),行動(Acting),学習(Learning)の五つのフェーズからなる循環的なプロセス改善手法である。

a ~ d は,以下のとおり。

  1. 診断(Diagnosing)
    エ 業務の現状を調査して可視化し,改善ポイントを明らかにする。
  2. 確立(Establishing)
    イ 改善活動の優先順位を設定し,具体的な活動計画を作成する。
  3. 行動(Acting)
    ア 改善策を作り,その先行評価・試行・展開を行う。
  4. 学習(Learning)
    ウ 活動を分析してその妥当性を確認し,次のサイクルの準備を行う。

問3 BI (Business Intelligence)

BI (Business Intelligence) を説明したものはどれか。

  1. ア 企業内外のデータを蓄積し,分類・加工・分析して利用することによって,企業の意思決定の迅速化を支援する手法
  2. イ 企業内の慣行などにとらわれず,業務プロセスを抜本的に再構築することによって,コスト・品質・サービス水準などを改善する手法
  3. ウ 企業内の業務の流れを可視化し,業務改善サイクルを適用することによって,継続的な業務改善を図る手法
  4. エ 企業内の異なるシステムを互いに連結し,データやプロセスの統合を図ることによって,効率よく活用する手法

解答と解説

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【答え】

BI は,企業活動に伴い蓄積されたデータを,分類・加工・分析することで,意思決定を支援する手法である。データマイニングや OLAP などの分析技術は,BI に含まれる要素として位置付けられる。

イは「BPR (Business Process Reengineering)」,ウは「BPM (Business Process Management)」,エは「EAI (Enterprise Application Integration)」である。

問4 PBP 効果

IT 投資案件において,投資効果を PBP (Pay Back Period) で評価する。投資額が 500 のとき,期待できるキャッシュインの四つのシナリオ a ~ d のうち,PBP 効果が最も高いものはどれか。

シナリオ a
年月12345
キャッシュイン100 150 200 250 300
シナリオ b
年月12345
キャッシュイン100 200 300 200 100
シナリオ c
年月12345
キャッシュイン200 150 100 150 200
シナリオ d
年月12345
キャッシュイン300 200 100 50 50
  1. ア a
  2. イ b
  3. ウ c
  4. エ d

解答と解説

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【答え】

投資額を回収できるのは,a は 4 年目,b は 3 年目,c は 4 年目,d は 2 年目である。

問5 ベンダへの情報提供の要請

IT 技術動向,ソフトウェアパッケージ情報,開発方法論などの情報提供をベンダに要請するものはどれか。

  1. ア IFB
  2. イ RFI
  3. ウ RFP
  4. エ RFQ

解答と解説

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【答え】

RFI (Request For Information : 情報提供依頼書) はベンダに情報提供を要請する文書である。

IFB (Invitation For Bids : 入札招請書) はベンダに入札を促すために配布する文書,RFP (Request For Proposal : 提案依頼書) はベンダに提案を依頼する文書,RFQ (Request For Quotation : 見積り依頼書) はベンダに対して具体的な見積り提示を要請するための文書である。

問6 EMS

専門の事業者が提供するサービスのうち,EMS の説明はどれか。

  1. ア コールセンタの企画,設計から業務運用までを一括して受託することによって,委託元のコールセンタへの設備投資や人員調達を不要とするサービス
  2. イ 人事,経理,総務などの業務を標準化してグループ内の 1 か所に集約することによって,グループ全体の間接業務のコスト削減に貢献するサービス
  3. ウ 複数の電子機器メーカから製品の設計,製造を一括して受託することによって,生産規模を確保し,低コストで製品を提供するサービス
  4. エ プロバイダ側のコンピュータ上でソフトウェアを稼働させて,利用者はそのソフトウェアの機能をネットワーク経由で利用するサービス

解答と解説

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【答え】

EMS(Electronics Manufacturing Service : 電子機器製造サービス)に似たサービスとして,製造を委託する OEM (Original Equipment Manufacturer) や,設計と製造を委託する ODM (Original Design Manufacturer) がある。

アは「コールセンタの受託サービス」,イは「シェアードサービス」,エは「クラウドサービス,ASP (Application Service Provider),SaaS (Software as a Service)」の説明である。

問7 LBO

LBO の説明はどれか。

  1. ア 株式市場で一般株主に対して,一定期間に一定の価格で株式を買い付けることを公告し,相手先企業の株式を取得する。
  2. イ 現経営陣や事業部門の責任者が株主から自社の株式を譲り受けることによって,当該事業の経営権を取得する。
  3. ウ 投資会社が,業績不振などの問題を抱えた企業の株式の過半数を取得した上で,マネジメントチームを派遣し,経営に参画する。
  4. エ 買収先企業の資産などを担保に,金融機関から資金を調達するなどして,限られた資金で企業を買収する。

解答と解説

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【答え】

LBO (Leveraged Buyout) とは,M&A の形態のひとつで,借入金を活用した企業・事業買収のことを指す。

一定のキャッシュフローを生み出す事業を,借入金を活用して買収するもので,買い手は少ない資金で企業・事業を買収することができる。

アは TOB(Take Over Bid : 株式公開買付),イは MBO(Management BuyOut : 経営陣買収),ウはベンチャーキャピタル(venture capital)によるハンズオン(育成)型投資の説明である。

問8 PPM

PPM において,投資用の資金源として位置付けられる事業はどれか。

  1. ア 市場成長率が高く,相対的市場占有率が高い事業
  2. イ 市場成長率が高く,相対的市場占有率が低い事業
  3. ウ 市場成長率が低く,相対的市場占有率が高い事業
  4. エ 市場成長率が低く,相対的市場占有率が低い事業

解答と解説

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問9 IVR

コールセンタシステムにおける IVR を説明したものはどれか。

  1. ア 企業ビル内などに設置して,外線電話と内線電話,内線電話同士を交換する装置
  2. イ 顧客からの電話に自動応答し,顧客自身の操作によって情報の選択や配信,合成音声による応答などを行う仕組み
  3. ウ コンピュータと電話を統合し,顧客データベースと PBX を連動させて,発呼や着呼と同時に必要な顧客情報をオペレータの画面上に表示するシステム
  4. エ 着信した電話を,あらかじめ決められたルールに従って,複数のオペレータのうちの 1 人だけに接続する仕組み

解答と解説

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問10 消費者市場のセグメンテーション変数

消費者市場のセグメンテーション変数のうち,行動的変数はどれか。

  1. ア 社会階層,ライフスタイル
  2. イ 使用頻度,ロイヤルティ
  3. ウ 都市規模,人口密度
  4. エ 年齢,職業

解答と解説

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問11 エスノグラフィーの活用事例

マーケティング調査におけるエスノグラフィーの活用事例はどれか。

  1. ア 業界紙や業界新聞,調査会社の売れ筋ランキングなどから消費者の動向を探る。
  2. イ 広告の一部に資料請求の項目を入れておき,それを照会してきた人数を調べる。
  3. ウ 消費者行動の現場で観察やインタビューを行い,気付かなかった需要を発掘する。
  4. エ 同等の条件下で複数パターンの見出しを広告として表示し,反応の違いを測る。

解答と解説

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問12 顧客生涯価値(LTV)

顧客の収益が表のように見込まれるとき,3 年間の顧客生涯価値(LTV)は何百万円か。ここで,割引率は 10 % とし,計算は百万円未満を切り捨てるものとする。

年間収益の単位 百万円
1 年目2 年目3 年目
年間収益1)50 10 10
割引係数2)1.0 1.1 1.2

注1) 年間収益は販売コストを考慮済み

注2) 割引係数は n 年目で (1+割引率)n-1 の値

  1. ア 65
  2. イ 67
  3. ウ 70
  4. エ 73

解答と解説

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問13 ファイブフォース分析

ファイブフォース分析において,企業の競争力に影響を与える五つの要因として,新規参入者の脅威,バイヤの交渉力,競争業者間の敵対関係,代替製品の脅威と,もう一つはどれか。

  1. ア サプライヤの交渉力
  2. イ 自社製品の品質
  3. ウ 消費者の購買力
  4. エ 政府の規制

解答と解説

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【答え】

マイケル・ポーターは競争要因が戦略を決定するとし,企業の競争力に影響を与える五つの要因として,新規参入者の脅威,バイヤの交渉力,サプライヤの交渉力,競争業者間の敵対関係,代替製品の脅威を挙げている。これら五つの要因を分析することにより,自社が置かれている競争環境が明らかになる。

BPMを説明したものはどれか?
図 ファイブフォース分析

問14 CSF 分析

経営戦略に用いる CSF 分析で明らかになるものはどれか。

  1. ア 業界内の競争に影響する要因と,自社の強み
  2. イ 競争環境の脅威と機会,企業の強み・弱み
  3. ウ 成功するための重要な機能や特性
  4. エ 保有する事業の成長性と収益性

解答と解説

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【答え】

CFS (critical success factors) は,経営戦略や IT ガバナンスなどを計画的に実施する際,その目標・目的を達成する上で決定的な影響を与える要因のこと。ビジネスの成否に大きな関係を持つマネジメント上の重点管理項目といえる。

アはアドバンテージマトリックスによる事業分析,イは SWOT 分析,エは PPM (Product Portfolio Management) 分析で明らかになるものである。

問15 カーブアウト

カーブアウトの説明として,適切なものはどれか。

  1. ア 企業の経営者などが自社の株式や事業部門を買収すること
  2. イ 競争相手に知られたくない技術を,特許取得せずノウハウとして社内に秘匿すること
  3. ウ 自社の事業の一部を戦略的に切り出し,埋もれた技術や人材を社外の別組織として独立させること
  4. エ 製造委託契約を締結し,外部から完成品を調達すること

解答と解説

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【答え】

カーブアウトは,自社の事業部門や子会社を切り離し,独立させる方法である。カーブアウトで独立した企業は,親会社との関係を維持しつつも,親会社以外からの支援を受けることも可能になる

アは MBO (Management BuyOut),イは営業秘密,エは OEM (Original Equipment Manufacturer) の説明である。

問16 プロダクトライン開発

製品のロードマップに従って製品を開発していく場合に,プロダクトライン開発を適用する利点はどれか。

  1. ア 技術者個人の力を組織力よりも重視するので,成熟度が低い組織でも製品開発に成功しやすい。
  2. イ 品質が安定した資産を再利用していくので,品質が安定した製品を低いコストで開発できる。
  3. ウ ロードマップ上の各製品を完全に独立して開発していくので,一つの製品の不具合が他の製品に波及することがない。
  4. エ ロードマップ上の最初の機種の開発開始時に,開発環境を準備するなどの初期投資が不要なので,市場への新規参入が容易になる。

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問17 TOC (Theory of Constraints)

TOC (Theory of Constraints) の特徴はどれか。

  1. ア 個々の工程を個別に最適化することによって,生産工程全体を最適化する。
  2. イ 市場の需要が供給能力を下回っている場合に有効な理論である。
  3. ウ スループット(=売上高-資材費)の増大を最重要視する。
  4. エ 生産プロセス改善のための総投資額を制約条件として確立された理論である。

解答と解説

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【答え】

TOC は,一覧の製造工程におけるボトルネックに着目し,これを改善することで「利益の最大化」を実現する手法である。ボトルネックの原因を制約(constraints)とすることから,制約の理論(Theory Of Constraints)と呼ばれる。

TOC では,金を儲けることは以下の 3 つであると規定している。

  1. スループットを増大する。
  2. 在庫(原材料,仕掛,製品など)や投資を低減する。
  3. 業務費用(資材費以外の総経費,直接人件費も含む)を低減する。

問18 生産計画

ある会社の生産計画部では,毎月 25 日に次の手続で翌月分の計画生産量を決定している。8 月分の計画生産量を求める式はどれか。

[手続]

  1. 当月末の予想在庫量を,前月末の実在庫量と当月分の計画生産量と予想販売量から求める。
  2. 当月末の予想在庫量と翌月分の予想販売量から,翌月末の予想在庫量が翌々月から 3 か月間の予想販売量と等しくなるように翌月分の計画生産量を決定する。
BPMを説明したものはどれか?

$\text{I}_n$ : $n$ 月の月末在庫量 $\text{P}_n$ : $n$ 月の生産量 $\text{S}_n$ : $n$ 月の販売量

  1. ア I6+P7-S7+S8
  2. イ S8+S9+S10+S11-I7
  3. ウ S8+S9+S10+S11-I8
  4. エ S9+S10+S11-I7

解答と解説

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【答え】

8 月末の予想在庫量は,7 月末の実在庫量と当月分の計画生産量と予想販売量から求められる。

I8 = I7 + P8 - S8

8 月末の予想在庫量は,9 月から 11 月の予想販売量と等しい。

I8 = S9 + S10 + S11

上の 2 式より,I8 を消去し,8 月分計画生産量 P8 で整理する。

P8 = S8 + S9 + S10 + S11 - I7

問19 HEMS

HEMS の説明として,適切なものはどれか。

  1. ア 太陽光発電システム及び家庭用燃料電池が発電した電気を,家庭などで利用できるように変換するシステム
  2. イ 廃棄物の減量及び資源の有効利用促進のために,一般家庭及び事務所から排出された家庭製品の有用な部分をリサイクルするシステム
  3. ウ ヒートポンプを利用して,より少ないエネルギーで大きな熱量を発生させる電気給湯システム
  4. エ 複数の家電製品をネットワークでつなぎ,電力の可視化及び電力消費の最適制御を行うシステム

解答と解説

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【答え】

HEMS (Home Energy Management System) とは,家庭での節電を目的に,エネルギーを統合的に管理するシステムのことである。太陽光発電,家庭用燃料電池,蓄電池やエコキュートなどを導入し,複数の家電製品をネットワークでつないで使用電力量を監視して,電力消費の最適制御を行う。

アは「パワーコンディショナ―」,イは「家電製品のリユース」,ウは「エコキュート」の説明である。

問20 コンピテンシモデル

コンピテンシモデルの説明はどれか。

  1. ア 権限行使と命令統制による労務管理を批判し,目標管理制度や経営参加制度などによる動機付けが有効であるとしたもの
  2. イ 最適なリーダシップの唯一のスタイルは存在せず,望ましいリーダシップのスタイルは,状況に応じて異なるとしたもの
  3. ウ 人材の評価や育成の基準とするために,恒常的に成果に結び付けることができる個人の行動や思考特性を定義したもの
  4. エ 人間の基本的欲求を低次から,生理的欲求,安全の欲求,所属と愛の欲求,承認の欲求,自己実現の欲求としたもの

解答と解説

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【答え】

コンピテンシとは,高い業務成果を生み出す顕在化された個人の行動特性である。職種別に高い業績を上げている個人の行動特性(例えば「ムードメーカ」「論理思考」など)を分析し,その行動特性を評価基準として従業員を評価する。

コンピテンシモデルは,人材の評価や育成の基準とするために,恒常的に成果に結び付けることができる個人の行動や思考特性を定義したものである。

アは,人的資源管理における,モチベーション重視論の説明である。

イは,縦軸を仕事志向の強さ,横軸を人間指向の強さとして状況を 4 象限に分け,それぞれの状況に応じてリーダシップのスタイルは異なるとした,SL 理論の説明である。

エは,マズローの欲求 5 段階説の説明である。

問21 マトリックス組織

マトリックス組織を説明したものはどれか。

  1. ア 事業部制組織と職能性組織との両方の特徴を生かそうとする組織である。
  2. イ 新事業開発のために社内に独立した活動単位として設置し,小さな企業であるかのように運営する組織である。
  3. ウ 製品群などを事業単位として構成し,事業単位ごとに意思決定を行う組織である。
  4. エ 専門性を生かした組織であり,研究開発,製造,販売,人事・総務,経理・財務のような職能別に構成された組織である。

解答と解説

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問22 ROE (Return On Equity)

ROE (Return On Equity) を減少させるものはどれか。

  1. ア ROA の増加
  2. イ 自己資本比率の増加
  3. ウ 総資本回転率の増加
  4. エ 当期純利益率の増加

解答と解説

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【答え】

ROE(Return On Equity : 自己資本利益率)は,自己資本(株主が投下した資本)がどれだけの純利益を稼いだかを示す指標で,次式で表す。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本

一方,ROA(Return On Assets : 総資産利益率)は,総資産(自己資本に負債を含めたもので,総資本と同義)がどれだけの純利益を稼いだかを示す指標で,次式で表す。

ROA = 当期純利益 ÷ 総資本

したがって,ROE を ROA を用いて表すと,次式となる。

ROE = ROA × 総資本 ÷ 自己資本

総資本/自己資本は,財務レバレッジと呼ばれ,総資本における自己資本の割合である自己資本比率(自己資本/総資本)の逆数であるため,次式に変換できる。

ROE = ROA ÷ 自己資本比率

ROA は,当期純利益率(当期純利益/売上高)と総資本回転率(売上高/総資本)を用いると,次式となる。

ROA = 当期純利益率 × 総資本回転率

以上より,ROE は次のように表すことができる。

ROE = 当期純利益率 × 総資本回転率 ÷ 自己資本比率

したがって,自己資本比率の増加は ROE を減少させる。

問23 連結損益計算書

次の条件において A 社の連結損益計算書を作成した場合の連結売上高は何百万円か。

[条件]

  • A 社は,B 社の株式の 80 % を取得している。
  • B 社は,C 社の株式の 60 % を取得している。
  • B 社は,D 社の株式の 20 % を取得している。ただし,役員の派遣などはない。
  • A 社の売上高は,700,000 万円であり,その 10 % は,B 社に対するものである。
  • B 社の売上高は,350,000 万円であり,その 20 % は,D 社に対するものである。
  • C 社の売上高は,250,000 万円である。
  • D 社の売上高は,200,000 万円である。
  • A 社と B 社,B 社と D 社以外の相互間取引はない。
  1. ア 1,230,000
  2. イ 1,300,000
  3. ウ 1,360,000
  4. エ 1,430,000

解答と解説

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問24 電子計算機使用詐欺罪

刑法の電子計算機使用詐欺罪が適用される違法行為はどれか。

  1. ア いわゆるねじみ講方式による取引形態の Web ページを開設する。
  2. イ インターネット上に,実際よりも良品と誤認させる商品カタログを掲載し,粗悪な商品を販売する。
  3. ウ インターネットを経由して銀行のシステムに虚偽の情報を与え,不正な振込や送金をさせる。
  4. エ 企業の Web ページを不正な手段で改変し,その企業の信用を傷つける情報を流す。

解答と解説

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【答え】

インターネットを経由して銀行のシステムに虚偽の情報を与え,不正な振込や送金をさせることは,刑法の電子計算機使用詐欺罪に該当する。

刑法 第246条の2 電子計算機使用詐欺

前条(筆者注 第246条 詐欺)に規定するもののほか,人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り,又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者は,十年以下の懲役に処する。

アは「無限連鎖講の防止に関する法律」に抵触する行為,イは刑法における詐欺罪または特定商取引法違反に該当する行為,エは電子計算機損壊等業務妨害罪に該当する行為である。

問25 シングルサインオンの実装方式の特徴

シングルサインオンの実装方式の特徴のうち,適切なものはどれか。

  1. ア クッキーを使ったシングルサインオンの場合,サーバごとの認証情報を含んだクッキーをクライアントで生成し,各サーバ上で保存,管理する。
  2. イ クッキーを使ったシングルサインオンの場合,認証対象のサーバを,異なるインターネットドメインに配置する必要がある。
  3. ウ リバースプロキシを使ったシングルサインオンの場合,認証対象の Web サーバを,異なるインターネットドメインに配置する必要がある。
  4. エ リバースプロキシを使ったシングルサインオンの場合,利用者認証においてパスワードの代わりにディジタル証明書を用いることができる。

解答と解説

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BPOを説明したものはどれか?

解説 BPO(Business Process Outsourcing)とは、自社の業務の一部を、丸ごと外部の業者に委託することです。 コスト削減や業務効率の効果が期待できるだけでなく、その企業本来の事業に集中できるようになるという利点もあります。

SaaSを説明したものはどれか?

SaaS(Software as a Service)は、専門の事業者が運用するサービスをネットワーク(インターネット)経由で利用する形態です。 自分の組織でシステムを構築し、保守・運用する場合と比べて、時間と費用の大幅な節約が可能です。 クラウドコンピューティングもSaaSの一形態に分類されます。

BPRを説明したものはどれか?

BPRを説明したものはどれか。 企業全体の経営資源の配分を有効かつ総合的に計画して管理し,経営の効率向上を図ることである。 顧客視点から業務のプロセスを再設計し,情報技術を十分に活用して,企業の体質や構造を抜本的に変革することである。

SOAの説明はどれか?

解説 SOA(Service-Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は、業務上の一処理に相当するソフトウェアで実現されている機能や部品を独立したサービスとし、それらを組み合わせ連携させることで全体のシステムを構築するという手法、またはそのことを指す言葉です。