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Windows 10(ウィンドウズ テン)は、マイクロソフトが開発およびリリースしている、Windowsシリーズに属するWindowsNT系のパーソナルコンピュータおよび8インチ以上のタブレット用のオペレーティングシステム (OS) である。バージョンやエディションによってサポート期間が異なるので注意が必要である。バージョン1507・1511のコードネームは「Threshold(スレッショルド)」、バージョン1607から1809までのコードネームは「Redstone(レッドストーン)」、バージョン1903からのコードネームは「19H1」「19H2」など[注 1]。 概要[編集]2014年9月30日(現地時間)にプレス向けイベントにて発表された[10]。製品名はWindows Vista以後、7・8 (8.1) とナンバリングされてきたが、9を飛び越すかたちで "10" となった。これについてマイクロソフトは「新世代のWindows、そしてあらゆるデバイスで包括的に動作する幅広いプラットフォームであるといったことを表わしている」と説明している[11]。また、カーネルもWindows Vista (6.0) 以来の刷新が行われ、内部バージョン番号は6.xから10.0となり、ナンバリング製品としてはWindows 3.1以来のナンバリングと一致する形となった[注 2]。基底となるソフトウェアが高効率化したため、OS全体として以前のバージョンから更に高効率化した。 以前のバージョンのWindowsと異なり、Windows 10では "Windows as a Service (WaaS)"(サービスとしての Windows)という新たなコンセプトが導入された[12]。 Windows 10ではローリングリリースモデルを新たに採用しており[13]、今後は機能改善や新機能の追加といったOSのアップデートが3月と9月の頻度でWindows Updateを通じて無償で行われる[14]。Windows 10が継続して更新されていくため、従前のようなOSのメジャーアップデートはなくなることになる。これについて、マイクロソフトのデベロッパー エバンジェリストのジェリー・ニクソンは「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」であると述べた[13]。日本マイクロソフトのテクニカル エバンジェリストの荒井省三は「Windows 10 は、Windows as a Service によって、最新の機能と最新のセキュリティを提供することで、決して古くならない新しい Windows へと生まれ変わる」としている[15]。 のちに発言が撤回され、2021年6月24日(現地時間)に次期OSとなるWindows 11が発表された[16]。マイクロソフトは、2025年10月14日までは少なくとも1つのWindows 10 半期チャネルを引き続きサポートするとしており、Windows 10 Pro/Homeのサポートライフサイクルは2025年10月14日で終了するとしている[17]。 無償アップグレードプログラム[編集]2015年7月29日(日本時間7月30日)にWindows 7 SP1、および8.1 Updateユーザー限定の無償アップグレードプログラムを含む一般への提供が開始され[18][19]、同年8月1日にはボリュームライセンス契約で利用可能なEnterpriseとEducationおよびDSP (Delivery Service Partner) 版が[20]、そして同年9月4日には新規インストールが可能なリテール版が発売された。 2016年7月28日(日本時間7月29日)をもって、予告されていた通りWindows 7 SP1/8.1 Updateからの1年間限定の無償アップグレードプログラムの提供を終了したが、それ以降もこれまで通り無償アップグレードが提供されていた[21]。2021年10月現在もWindows 7/8/8.1のプロダクトキーが利用可能[22][23]。 ※Windows 7/8/8.1のプロダクトキーをWindows 10 で利用した場合、Windows 7/8/8.1では利用できなくなる。 Windows 10の主な機能[編集]ユーザーインターフェイス[編集]デスクトップとModern UIを両方搭載したWindows 8.1から方針を変更し、デスクトップに再び統合された。そのため、デスクトップのUIが変更され、Windows 8.1に搭載されているModern UIとはやや異なったデザインとなっている。デフォルトでは黒(1903以降は白)を基調としたデザインとなっており、タスク バー、スタート メニュー、アクション センターは若干透明なデザインになっているが、設定で無効にすることができる。 デフォルトの壁紙はCGを一切使わず、光と煙を使って撮影されたものとなっており、YouTubeのマイクロソフト公式チャンネルではその製作過程が公開されている[24]。 アプリケーション[編集]ユニバーサルWindowsプラットフォーム (UWP)Windows 10シリーズにおいて統合されたOSの中核「Windows Core」により実現された、新たなアプリケーション共通プラットフォーム。UWPはWindowsランタイム (WinRT) の進化形であり、Windows 10 MobileおよびWindows 10 IoT、後述するWindows 10 Proを母体に更に簡素化・軽量化された教育機関向け専用のWindows 10 Sにも搭載されている。Windows 8/8.1用のMicrosoft StoreアプリはWindows 10でも動作するが、UWPアプリはWindows 10専用である。UWPアプリはMicrosoft StoreアプリとしてMicrosoft Storeで配信・販売・購入できる。UWPのAPIは全プラットフォームで共通となるコアAPIと、デバイスファミリごとに特有のAPIとに分かれる。コアAPIのみを使い、すべてのデバイスファミリ向けに作成されたUWPアプリは、コードを修正することなくすべてのWindows 10プラットフォーム、すなわち、PCはもちろんスマートフォンやタブレットなどでもそのまま動作する。一方、ターゲットとなるデバイスファミリを指定することで、デバイスファミリ固有の機能を使うことも可能である[34] [35]。バージョン1607では、UWP版Skypeアプリプレビュー版がプリインストールされている。Windowsブリッジ他OSからWindowsへのアプリ移植や既存のデスクトップ アプリ展開を容易にする技術群の総称。例えば、「iOS用Windowsブリッジ」(Project Islandwood) を使用すると既存のObjective-Cコードはそのままに、iOS用のアプリを最小限の修正でWindows 10に移植することができる。「Desktop Bridge」(Project Centennial) では、App-V テクノロジーを使用して旧来のデスクトップ アプリを仮想化およびパッケージ化し、Windowsストアでデスクトップ アプリを配布、展開することを可能にする。ただし、UWPアプリではないため、Windows 10 MobileやWindows 10 IoTでは動作しない。標準アプリ多くの標準アプリがUWPアプリとして刷新された。そのため、レイアウトやデザインがWindows 10 Mobileと統一されている。また、「電卓」アプリは、UWPアプリとなり、コマンドプロンプトからcalc.exe と打つと起動できる[27]
[36]。ただし、LTSBではほとんどの標準アプリは搭載されておらず[28][27]、例外的に「設定」や「Windows フィードバック」など、ごく一部のシステム
アプリのみ搭載されている[注 5]。Store アプリWindows 8/8.1ではフルスクリーンもしくは画面分割でしか表示できなかったストア アプリのウィンドウ表示に対応した。ウィンドウ表示を許容しないアプリも、タイトルバーから最小化や終了ができる。またWindows 8/8.1ではそのようなアプリを任意のモニターで起動できたが、必ずプライマリモニターを使用する。Microsoft Store大幅に改良され、Windows
8.1のものより機能・UIがともに大幅に改良された。新たに、音楽や映画やテレビ番組の購入も可能となり、「映画とテレビ番組」アプリで再生できる。LTSBには搭載されない[28][27]。Microsoft EdgeWeb ブラウザー。これまでデフォルト ブラウザーであったInternet
Explorerの後継ブラウザーとして搭載された[37]。2020年以降、Chromiumベースの新しいEdgeに移行している。旧Edge(レガシー版)は2021年3月9日をもってサポート終了した[38][39]。Microsoft
Edgeは相互運用性を強く意識したエバーグリーンなブラウザーであり[40][41]、新機能の追加が行われないLTSBに含めるのはふさわしくないという判断から、LTSBにはMicrosoft
Edgeは含まれない[28][42]。Internet Explorer 11機能面ではWindows 8.1に搭載されたInternet Explorer 11からあまり変化せず、旧来のInternet Explorer(5.5、7 -
11)との互換性を確保する目的にのみ用いられる[43]。HTTP/2に対応した。コマンド プロンプトコマンド プロンプトcmd.exe の機能も大幅に拡充された。コマンド
プロンプトは、MS-DOSの標準コマンドシェルであるCOMMAND.COM から生まれた経緯を持つ機能であるため、すべて選択(Ctrl+A)・コピー(Ctrl+C)・貼り付け(Ctrl+V)・検索(Ctrl+F)・マーク(Ctrl+M)などのWindowsから追加されたショートカットキーは永らく追加されなかったが、これらを有効化するオプションが追加された。ウィンドウを画面いっぱいに最大化できるようになり、透明度も指定できるようになった。バージョン1703では起動時のコマンドシェルをWindows PowerShellに置き換える設定が既定で有効に変更された[注 6]。またPowerShellコマンドが新設され、同一のウィンドウ内で相互に行き来する事が可能になった。Snipping Tool「遅延」機能が追加された。デバイス キャストDLNA対応機器を含むネットワーク上のデバイスに動画や音声をストリーミングする従来の「リモート再生」が、「デバイス キャスト」に名称変更された。はじめに (Get Started)従来の「ヘルプとサポート」にあたる機能。LTSBには搭載されない。OneNoteOneNoteが標準で搭載された。LTSBには搭載されない[28]。Xbox アプリWindows 10では、深いレベルでXbox Liveとの統合が行われており、このアプリで実績やプレイ履歴の確認、メッセージのやりとりを行うことができる。Xbox Oneと接続することで、Xbox OneのゲームをWindows 10でストリームしてプレイすることが出来るほか、対応ゲームではWindows 10とXbox Oneでクロスプラットフォームのマルチプレイが可能。マイ ゲームというライブラリ機能もあり、PCにインストールされたゲームのランチャーとしても使用できる。また、後述するGame DVR機能はこのアプリによりサポートされている。S、およびLTSBには搭載されない。Windows DVD プレーヤーDVD再生機能はWindows
7以前ではWindows Media Playerに、Windows 8/8.1ではMPEG-2特許使用料によるコストを削減するため別売のWindows Media
Centerに搭載されていたが、本バージョンではどちらも搭載されなくなったためその代替アプリとして用意された[44]。ただし、BDの再生には非対応である。「適格期間」と呼ばれる一定期間のうちは、Windows Media Centerがインストールされたシステムからアップグレードを行った場合に、Windows Updateから無償で提供される。また、適格期間が経過した場合や、Windows Media Centerがインストールされていないシステムからアップグレードした場合や、Windowsのクリーン インストールが行われた場合は、Windows
Updateからの無償提供オプションは利用できないが、Microsoft Storeから有償で購入できる[45]。従来どおり、光ディスク等の再生にサードパーティー製アプリケーションを使うことも可能。クライアントHyper-VWindows 8から引き続き搭載されたハイパーバイザ型の仮想環境で、Windows 10には Windows Server 2016 に搭載される Hyper-V のサブセット版が搭載される。従来の
Microsoft Virtual PC、Windows Virtual PC の機能に相当し、64ビット版Windowsを対象に搭載されている。OS上の一アプリケーションとして動作する Virtual PC などとは構造が異なり、Hyper-V
はハードウェア上でOSを介さず直接動作し、全てのOSはハイパーバイザ上で動作する(ハイパーバイザ#Type 1も参照のこと)。利用の際には「Windowsの機能の有効化または無効化」で機能を有効化する必要があり、この機能を有効にすることで、これまでハードウェア上で直接動作していたWindows
10自身もHyper-V上での動作となる(ルートパーティションと呼ばれる)。この影響で、当初はVMwareおよびVirtualBoxなどのType 2型のハイパーバイザ環境が利用できなくなっていたが[46]、バージョン1803以降より "Windows Hypervisor Platform
(WHPX)"[47] と呼ばれるAPIが実装され、このAPIに準拠していれば、その仮想化製品を「Hyper-V」と共存させることが可能となった。Home、およびSには搭載されない(いずれもProにアップグレードすることでこの機能が利用できるようになる。Homeの場合、VMwareおよびVirtualBoxなどのType 2型のハイパーバイザは稼働するため、一定の用途では代替となる。)。Windows Ink ワークスペーススケッチ機能。画面スケッチでは、表示画面にスケッチをすることができ、絵画アプリのスケッチパッド、付箋アプリのSticky
Notesとも統合している。標準ではオフになっているが、タスクバーでオンにすることができる。タッチ対応PCやペンタブレットを接続すると自動的にオンになる。アイコンはタスクバーのシステムトレイに表示される。Sticky Notes付箋アプリ。モダンデザインに変更し、Windows Inkと統合している。Windows 10バージョン1511までに搭載されていた「付箋」アプリは削除された。なお付箋を使用している環境からのアップグレード/アップデートでは自動的にデータ移行が行われる。クイックアシストリモート接続を通じて 2人のユーザーが1台のコンピューターを共有することで、一方のユーザーがもう一方のユーザーのコンピューターの問題解決を支援できる。現在のところ、すでに同様の機能を持つ「リモートアシスタンス」は削除されず、残っている。Microsoft Solitaire CollectionWindows
7まで標準で付属したゲームの内、ソリティア、ハーツ、マインスイーパーはWindows
8/8.1で削除されたが、マインスイーパは2014年にWindowsストアにてWindows 8.1向けストアアプリ「Microsoft Minesweeper」としてダウンロード供給され[48]、ソリティアは2015年に「Microsoft Solitaire Collection」としてWindows
10に標準搭載された[49][50][注 7]。それぞれデザインやグラフィックが一新されている。ハーツの代替アプリはマイクロソフトから供給されておらず、マイクロソフトはサードパーティ製の同等アプリを探すよう案内している[51]。代替ゲームペイント 3D名前どおりの3D版ペイント。立体/平面モデルの配置や加工、モデル表面や空間への描画が可能。保存は独自形式と互換形式、印刷は2D/3Dプリンタをサポートする。Remix3D.comとの連携によりモデルの共用・共同開発も可能。また「キャンバス」と呼ばれる厚みのない長方形の板が立っており、ここに描画する事でペイントと似た使い方もできる。Mixed Reality ポータルMixed
Reality環境を設定する。Microsoft Hololensの設定やコンテンツ管理も行えるが、デバイスがいまだ開発版しか存在せず、利用者が非常に限定される為、詳細は不明。Mixed Reality ビューアーView 3Dが改称され、Mixed Reality環境を再現する機能が追加された。(非対応の環境でも3Dモデルのみ扱う事は可能)。3Dモデルについてはペイント3Dデータのほか、一般的な3Dモデルのファイルも扱える。フィードバック HUBMicrosoftの開発チームに不具合情報や要望を直接送ったり、他者のフィードバックに賛成票やコメントを投じる事ができる。元々は Insider Program
限定の機能であったが、Insider 以外のアカウントでも利用できる(機能に若干差異あり)。英語以外のフィードバックは基本的に機械翻訳を経由して担当に送られるが、意味不明な場合は話者が仲介する場合もある[52]。Dolby AudioOSとしては初めて標準搭載されたオーディオコーデック。Microsoft Edgeや一部のMicrosoft Storeのアプリにおいて採用されており、動画や音楽の再生に用いられる。立体音響Creators UpdateよりWindowsとしては初めて7.1チャンネルの仮想サラウンド機能が搭載された。「Windows Sonic for
headphones」と「Dolby Atmos for headphones」「DTS Sound Unbound」の3種類から選択できるが、初期状態ではマイクロソフトの開発した「Windows Sonic for headphones」のみとなり、「Dolby Atmos for headphones」を利用する場合はストアアプリにて「Dolby Access」をインストールし、そのアプリから別途有料の「Dolby Atmos for headphones」を入手する必要があり、「DTS Sound Unbound」についてもストアアプリからの入手となる。ただしどの機能においてもストアで提供されているゲームアプリや、Netflix等の動画配信サービスアプリといった対応アプリでしか利用はできず、利用可能な場合は音量調整画面に「(立体音響名)を使用しています」という表示がされる)
ウィンドウ操作[編集]スナップ (Aero Snap)スナップできるウィンドウの個数が2個から4個に増やされた。画面の空いているスペースのどこにでも、現在開いているすべてのアプリのサムネイルを表示でき、ドラッグすれば画面が分割される。 仮想デスクトップこれまで非公式ソフトウェアを使用しなければ実現できなかった仮想デスクトップ機能が追加された。タスク ビュータスク バーにある「タスク ビュー」ボタン、もしくは⊞ Winキーと⭾ Tabキーを押す(Vista/7ではWindows フリップ 3Dが割り当てられていた)ことで、すべてのデスクトップ画面とアクティブなデスクトップ画面に開いているウィンドウが一覧表示される。仮想デスクトップもこの画面から作成できる。非アクティブ ウィンドウのスクロール Windows 8.1までの Windows では、マウス ホイールでのスクロールはウィンドウ フォーカスが設定されているウィンドウに対してのみ機能していた。Windows 10では、スクロールしたいウィンドウにマウスをホバー(マウス オーバー)すれば、非アクティブ ウィンドウであってもマウス ホイールでスクロールが出来るようになった。この機能を設定から無効化することによって、従来通りの動作に戻すことも可能。Windows SandboxWindows 10 Insider Preview Build 18305(19H1)より追加実装された使い捨てのアプリ実験環境ツール[53]。未知のアプリや疑わしいアプリを安全かつ手軽に試せるようになり、Windows コンテナーの技術をベースとした軽量の仮想環境となっており、インストールされたアプリや、そのアプリが行った改変は仮想環境の外に一切影響を及ぼさない。また実験環境ツールを終了すると、仮想環境内で行われたすべての変更は失われる仕組みとなっている。ただし、この機能を利用する場合はBIOSの仮想化(仮想環境で実行している場合は仮想化のネスト)をサポートしたAMD64アーキテクチャーの「Windows 10 Pro」または「Windows 10 Enterprise」環境が必要となるので注意。また、初期状態では無効化されているので、[Windows の機能の有効化または無効化]ダイアログから有効化する必要がある。キーボード ショートカット[編集]
システム[編集]設定Windows 8.1よりも多くの設定を行うことができるようになった。アイコンが表示され、検索ボックスが追加されたため、使い勝手が大幅に向上した。Windows Hello生体認証機能。顔・虹彩・指紋を用いてユーザーを認証することができる[54]。他の方法はもちろん、顔認証の場合であっても普通のカメラデバイスでは動作せず[注 8]、それぞれに対応したハードウェアが必要となる。ディスク使用量の削減システムファイルの圧縮アルゴリズムの改善と、「リフレッシュ」および「リセット」を行うためのリカバリ用イメージの保存を不要としたことによって、ディスク使用量が削減された[55][56]。DirectX 12/DirectX 11.3高度抽象化に伴いオーバーヘッドの増加や最新のグラフィックスハードウェア (GPU) 設計とのずれが大きくなっていたDirectX 11.xまでのAPIを刷新し、ハードウェアに近いローレベルな制御を可能とするために再設計された新しいAPIがDirectX 12 (Direct3D 12) である。これにより、DirectX 11までよりもハードウェアの性能を引き出すことが可能となる。WDDM 2.0と併せて導入される。また、これまで通りの高レベルAPIによってDirectX 12世代ハードウェアの新機能を利用することのできるDirectX 11.3も同時に提供される。アクション センターWindows 8/8.1で搭載されていたチャーム バーに代わり搭載された機能。タスク バーの通知アイコンか、タッチ環境では画面右端から内側に向かってスワイプすること(8/8.1でのチャーム バーの呼び出しと同じ操作)で表示できる。PCに来た通知を後で見ることができるほか、「タブレット モード」の切り替えやWi-Fi接続設定、画面の明るさの調整などもできる。また、通知領域の「バルーン」は廃止され、デスクトップ アプリケーションの通知もストア アプリと同じように表示されるようになった。システム サウンドの変更システム エラーや通知の効果音など、数種類のシステム サウンドが変更された。スタートアップサウンドはWindows Vista以来の起動音が継承されている。ただし、Windows 8/8.1同様、初期設定(デフォルト)では鳴らない設定になっているため、設定を変更すると再起動時のみ鳴るようになる。なお、再起動時のみでなく起動時にも鳴らすには、高速スタートアップをオフにする必要がある。また、終了音なども8/8.1と同じく、レジストリを変更すれば設定可能。ただし、8/8.1の無印エディション同様、Homeエディションでは設定は出来てもグループポリシーを使って鳴らすことはできない。メディア ファイルのサポート強化メディア ファイルのコンテナ形式であるMatroskaと、ロスレス音声圧縮コーデックであるApple LosslessおよびFLACなどのメディア ファイルがサポートされた[57]。ストア アプリのショートカット作成Windows8/8.1ではストア アプリはショートカットを作成することができなかったが[58][59]、10では作成することができるようになった[60]。PDFファイル作成機能仮想プリンターとして "Microsoft Print to PDF" が新たに搭載された。このプリンターを指定して印刷することで、PDFファイルを作成できる。Game DVR上記Xbox アプリによってサポートされるゲーム録画機能。⊞ Win+Gキー でゲーム バーを開くことができ、そこからGame DVRを使用してプレイの録画が可能。ゲームに限らずどんなアプリでも録画できるため、汎用的な録画ツールとしても使用できる。これまでは、動画キャプチャをとる場合は、サードパーティー製のソフトウェアを導入しなければならなかった。Windows Defenderアイコンがモダンに変更された。オフラインスキャン機能が追加されたことにより、削除ができなかった一部の悪意のあるソフトウェアが削除できるようになった。スキャンには再起動が必要で、起動時に行われる。また、バージョン1607(RS1)以降では、「制限付きの定期的なスキャン」機能が追加され、サードパーティ製セキュリティソフトがインストールされている状況下にあっても、競合しないようにしつつWindows Defenderも併用することができるようになった。主な設定は設定アプリで行える。Windows ライセンス認証バージョン1607(RS1)以降より、Microsoftアカウントによるサインインを使用している場合は、マザーボードの交換など、ハードウェアを後で大幅に変更した場合に、ライセンス認証のトラブルシューティング ツールを使用して、Windows のライセンス認証をもう一度行うことができる。市販デモ機能とある操作を行うことで、デモ機専用モードに切り替えることができる。ただし、この機能は家電店などで展示されているデモ機を前提に搭載されている。保存データがすべて削除され、アカウント名が「古林翔」に変わり、可能な設定や起動アプリが制限される。更に、市販デモ機能を再びオフにする方法が無く、PCのリカバリーを行わなければならなくなるため、通常はオンにすべきではない。ただし、本機能は隠し機能であり、通常の利用でオンにしてしまうことはない[要出典]。Microsoft IME既にサードパーティー製のIMEでは当たり前となっている予測変換、クラウド変換が搭載された。システム上にインプットされている単語も大幅に増え、クラウド変換をオンにしなくとも、ネットを中心に流行っている言葉、流行語、有名人の名前、作品のタイトルやキャラクターの名前などが、一発変換できたり、予測変換で表示されることがある。また、機能更新アップデートと共に辞書も更新されている。 バージョン1703ではIMEモードが画面中央に大きく表示されるようになったが、IMEの設定で非表示にすることも可能である。アプリのインストール「ストアのみ/ストア以外は警告/許可」から選択できる。制限される対象はダウンロードされたアプリケーションに限られ、ローカルメディアからのインストールは制限を受けない。[61]トラブルシューティング設定アプリの「更新とセキュリティ」下に専用の画面が新設され、散在していた機能が纏められた。個々の機能はコントロールパネル等の場所に散在していたものと同じである。動的ロックBluetoothによってペアリングされたデバイス(≒利用者)が離れた事を検出してデバイスをロック状態にする機能。フィードバックの送信アプリやシステム機能の随所に追加され、より手軽にフィードバックを送れるようになった。廃止された機能[編集]Windows Media CenterWindows 8/8.1 では "Pro Pack"または"Media Center Pack" を購入することで追加が可能であったが、Windows 10では利用率の低下を理由に完全に提供しない[62]。なお、Windows 7 以降、Windows Media Center の実装はされない模様。コントロール パネルの一部項目コントロール パネル自体は廃止されていないが、Windows Updateの項目などがコントロール パネルから削除されたり、デスクトップの右クリック メニュー内の「画面の解像度」や「個人設定」がコントロール パネルではなく設定アプリにリンクされるなど、コントロール パネルへの依存性が低くなっている。アイコンも多少変更されている。機能更新アップデートごとにさらに多くの項目が設定アプリに移行され、よりコントロール パネルへの依存性が低くなっている。 Modern UI版Internet ExplorerWindows 8/8.1に搭載されていたModern UIのInternet Explorerは廃止され、デスクトップ アプリ版のみに戻った。Modern UIのブラウザはMicrosoft Edgeのみ。フロッピーディスクドライブWindows 8.1まではフロッピーディスクドライブに標準対応していたが、Windows 10では標準対応が打ち切られる。そのため、別途Windows Update経由や製造メーカーサイト経由でドライバーをインストールする必要がある[45]。一部の標準付属デスクトップ アプリ Windows 8/8.1に標準付属されているアプリにはストア アプリ版と従来のデスクトップ アプリ版の両方が存在していたが、電卓やヘルプとサポート、サウンド レコーダーなどの一部のデスクトップ アプリ版が削除された。機能更新アップデートごとに徐々にストア アプリに切り替わり、従来のバージョンは削除されている。電卓は LTSB のみデスクトップ アプリ版が引き続き搭載されている(代わりにストア アプリ版は存在しない)。ペイントは、今後ストア アプリ版のみに切り替わり、従来のバージョンはストア経由のみでの提供となる予定[63]。Windows Updateの自動更新オプションWindows 8.1まではWindows Updateによる更新方法を自由に変更することができたが、Windows 10からはWindows Updateの運用方法が変更され、更新プログラムの分類である「重要」と「オプション」が1つに統合され、Windows 10 単体では更新プログラムを選択的にインストールすることができなくなった。また、Home エディションでは自動更新を無効にすることができなくなった。Home ではアップデート ブランチは Current Branch (CB) のみがサポートされており、機能アップグレードは利用可能になると即時にインストールが行われる(2019年4月現在)。Pro、Education、Pro Education および Enterprise エディションを使用している場合はグループ ポリシーで自動更新を無効にしたり、更新方法を変更できるが、WSUS や 新たに発表された Windows Update for Business を利用しない限り、更新プログラムの配信を制御することはできない(選択的なインストールができない)。Pro、Education、Pro Education および Enterprise ではアップデート ブランチを Current Branch for Business (CBB) に変更することで、機能更新アップデートをバージョン1511までは最大8か月(1ヶ月単位で指定)まで、バージョン1607以降では最大180日(1日単位で指定)まで延期することができる。さらに、Enterprise ユーザーは Long-Term Servicing Branch (LTSB) 専用の SKU を利用でき、Enterprise LTSB はリリースから 10 年間のサポートが行われ、その間に機能更新アップデートは1つも提供されない。Windows 10 May 2019 Update適用以降は、Windows 10 Homeでも最大35日まで延期が可能になると発表された。これにより、Windows 10の全てのエディションで、アップデートの延期が可能になる事となる[64]。チャーム バーWindows 10では、アクション センターがチャーム バーに代わって搭載されたため、チャーム バーは廃止された。既存のストア アプリでは、互換性維持のためタイトル バー左上のハンバーガー メニューからチャーム バーの機能が利用できるようになっている。アプリ バーストア アプリで利用できたアプリ バーは廃止され、ハンバーガー メニューに置き換えられた。OneDriveの一部機能OneDriveに保存されているファイルの情報の一部を同期し、あたかもローカルに保存されているかのように取り扱う機能である「プレース ホルダー」が廃止された。また、Windows 10にアップグレードすることで、以前のWindowsにインストールされていたOneDriveは削除され、Windows 10のOneDriveに置き換わる。Windows 転送ツールOneDriveの進化などにより必要性が薄れたため廃止された。OSインストールイメージ内にも「転送ツール」が含まれていたが、Windows 10で削除されている。同等の機能を使用したい場合は、別途サードパーティー製の転送ツールが必要になる。Windows フォト ビューアーの一部の関連付け設定Windows 8/8.1では「フォト」アプリのほかに、Vista/7に引き続いて「Windows フォト ビューアー」が利用可能であったが、10ではTIFFを除いて関連付け設定が削除され、利用できなくなった。ただし、対応するレジストリ エントリを手動で編集すれば有効化は可能。7/8.1からアップグレードした場合にもレジストリが保持されるため、従来通り利用できる。Wi-Fi センサー(Ver1607で廃止)Windows Phone 8.1に先行搭載されていた機能。利用するためには、Microsoft アカウントでサインインしている必要がある。この機能では、クラウドソーシングによって収集された情報に基づき、既知のオープン Wi-Fiネットワークに自動的に接続でき、外出先ですばやくインターネットに接続することが可能になる。また、任意でFacebookの友達、Outlook.comの連絡先、またはSkypeの連絡先と Wi-Fiネットワークを共有することができる機能も過去に存在したがバージョン1607までに削除された[65]。オンラインサービスが停止しておりそれ以前のバージョンではUIが残っていても機能しない[66]。有料 Wi-Fi & 携帯ネットワーク(Ver1803で廃止)Microsoft以外の有料Wi-Fiスポットに接続するサービス。Microsoft Wi-FiMicrosoftが提供するWi-Fiスポットに接続するサービス(有料)。アプリは既定で存在するが、使用を開始するにはストアから購入する必要がある。日本国内での利用可否については不明[67]。モバイル コンパニオン(Ver1809で廃止)Windows 10に保存されている写真やドキュメントなどをスマートフォンへ自動的に同期させることができる機能。Windows Phoneのみならず、AndroidやiOSとも連携させることが可能。LTSBには搭載されない。S、およびEducationにもデフォルトでインストールされていないが、ストアからインストールできる。 Ver1809でアプリは廃止され設定アプリの電話に移行された。カスタマー エクスペリエンス向上プログラム[編集]Windows 10は、製品とサービス向上のため、デフォルトで以下の情報をマイクロソフトに送信する。
これらの情報の送信を望まないユーザーは設定の「プライバシー」で変更することができる[68]。また、IT関連メディアのArs Technicaの調査の結果、プライバシー設定をオフにしても、マイクロソフトのサーバーと通信していることが判明している。Ars Technicaは、送信されるデータに関してプライバシーに大きな問題はないとしながらも、これらの事象に関して疑念を抱いている[69]。 販売形態[編集]最新の更新プログラムがインストールされているWindows 7 SP1とWindows 8.1 Updateは、Windows 10の発売から1年間はWindows 10に無料でアップグレードでき、一度アップグレードしたPC(実装仮想を問わず[注 9])やタブレットは「デバイスが寿命を終えるまで」無料でサポートされるとしている[70]。また、2015年3月に行われた中国でのイベントで、海賊版も無償アップグレードの対象になると発表したが、その後方針が変更され、海賊版からの無償アップグレードは対象外となった[71][72]。 なお、DSP版はWindows 7までと同様に周辺機器とのバンドルでの販売が再開された[73][74]。 アップグレード[編集]前述のとおり、Windows 7 SP1とWindows 8.1 Updateの正規版であれば、2016年7月28日(日本時間7月29日)まではWindows Updateを経由し無償でアップグレード可能だった(後述のアップグレードSKUマップの節も参照)。ただし、ARMアーキテクチャ専用のWindows RT、およびRT 8.1からはアップグレード不可能。XPとVistaではインストールディスクからは個人ファイルのみ引継げる。[75] [76]
ただし、Windows 7 SP1やWindows 8.1 Updateが正常に動作し、ハードウェアが後述のシステム要件を満たしていても、ハードウェアやソフトウェアメーカがWindows 10をサポートしていない場合がある[77][78][79]。このため、メーカのサポートページなどに、Windows UpdateのWindows 10アップグレードの通知を止める方法を記載している場合がある[80]。 しかし、Windows 10へのアップグレードを正常に停止させることができず、意図せずにWindows 10に更新され、未対応のソフトや周辺機器が使えなくなるトラブルの相談が、消費生活センターや日本マイクロソフトに多数寄せられていたことから、消費者庁が注意喚起を出した[81][82]。 エディション[編集]Windows 10ではパーソナルコンピュータおよびタブレット向けのエディションのほか、スマートフォンおよび小型タブレット(ファブレットなど)向けのモバイルOSや、エンベデッドシステム向け組み込みOSも、Windows 10のエディションとして提供される。さらにXbox OneやMicrosoft Surface Hub、Microsoft HoloLensなどの同社製ハードウェアのOSもWindows 10がベースとなっており、マイクロソフトではこの形態を "One Windows" と呼称している[83]。Windows 10では新たに教育現場向けの「Education」エディションが追加された。なお、HomeからProへのステップアップグレードは、Windows 8/8.1 無印をProにする場合は、Windows 8/8.1 Pro Packをパッケージ版でも購入することができアップグレードすることができたが、Windows 10ではステップアップグレード用のパッケージ版は販売しておらず、オンラインを通じてアップグレードする方法しかない(Windows Anytime Upgradeを参照)。また、タブレット向けのARM版Windowsである「Windows RT」は廃止された。その後2019年11月から販売された、Surface Pro X(Microsoft SQ1搭載)にはARM版Windows10が搭載され、32bit(x86)アプリに対応している[84]。 Home(ホーム) 一般消費者(コンシューマ)向けのエディション[85]。Windows 8/8.1(無印、Core)の後継。Windows 10の基本的な機能が含まれる。Pro(プロ)一般消費者(主に上級者)、およびビジネス(法人)向けのエディション[85][86]。Windows 8/8.1 Proの後継。Windows 10 Homeの機能に加え、スモールビジネス向けの高度なセキュリティ機能やリモート・モバイルを使ったプロダクティビティ向け対応、デバイス管理、クライアントHyper-V(ハイパーバイザ)、Windows Update for Businessを含む追加機能が含まれる。Enterprise(エンタープライズ)企業向けであり[85][86]、Windows 8/8.1 Enterpriseの後継となる最上位エディション。企業・団体だけではなく個人でもボリューム ライセンス契約を行うことで利用が可能である。Windows 10 Proのライセンス更新でアップグレードが可能となる(エディション別機能比較表参照)。Enterprise LTSB(エンタープライズ エルティーエスビー) Enterprise ユーザーのみ利用できる Long-Term Servicing Branch (LTSB) 専用 SKU。このエディションでは後述するアップデート ブランチが LTSB に固定されている[28]。その性格上、Microsoft Edge、Windowsストア、Cortana などのシステム アプリや、ストア アプリのすべてが搭載されておらず[28][27]、検索ボックスでの Web 検索の非サポート、デスクトップ アプリ版電卓の搭載[27]など、他エディションと大きな相違がある。また、デフォルトでタスク バーにアイコンが1つもピン止めされていないほか、スタート メニューにもタイルがほとんど存在しない[27]。Pro for Workstationsサーバーグレードのワークステーション向けのエディションとしてバージョン1709(RS3)より追加。最大4ソケットプロセッサー、最大メインメモリ6TB、NVDIMM-N(Non Volatile DIMM)、ReFS、SMB ダイレクトをサポートする[87]。なおこれらのハードウェアサポートは前述の Enterprise エディションでも利用可能となった(一部は以前のバージョンから利用可能だった)[88]。Microsoftストアから購入可能でありボリューム ライセンス契約を行わなくとも利用が可能である[89]。Education(エデュケーション)教育機関向けのエディション[85]。Windows 10で新たに追加された。機能的にはEnterpriseとほぼ同等だが、モバイル コンパニオンがプリインストールされていなかったり、デフォルトでタスク バーにアイコンが1つもピン止めされていないなど、細かな相違がある。教育機関専用のボリューム ライセンス契約のみ利用できるため、一般には入手できない。Windows 10 Homeのライセンス更新でアップグレードが可能となる(エディション別機能比較表参照)。Pro Education(プロ エデュケーション)バージョン1607(RS1)より追加される教育機関向けの上位エディション。Educationに対し、教育機関向けの管理機能が搭載される。Cortanaが削除され、更にストアのサジェスト機能などの機能も無効化されている。プリインストールでの出荷が基本だが、Windows 10 Proのライセンス更新でアップグレードが可能となる(エディション別機能比較表参照)。(S(エス))バージョン1703(RS2)より追加されたプリインストールでの出荷が基本となる教育機関向けのエディション[90]。PC設定を保存したUSBメモリを挿すだけで、他のPCの初期設定が高速(30秒前後)で完了するほか、Webカメラの使用可、不可など細かいカスタマイズをクラウド上で管理することが可能で当OSを搭載したPCは、フリーサブスクリプションの「Minecraft Education Edition」や「Office 365 for Education」、モバイルデバイス管理プラットフォームの「Microsoft Intune」などが利用できる。ただし、ダウンロード可能なアプリケーションはWindowsストアからダウンロードできるUWP(Universal Windows Platform)アプリに限定される。Windowsストアから別のブラウザーをダウンロードすることはできるが、.htmファイルを開くときなどの規定のWebブラウザーはMicrosoft Edgeで、EdgeとInternet Explorerの規定の検索プロパイダーは変更不可。なお、既存の教育目的で利用されているWindows 10 Pro搭載のPCに対しては無償で提供されるほか、更にOffice 365 for Education with Microsoft Teamsのライセンス、および1年間限定のMinecraft Education Edition利用権がそれぞれ付属し、Proへのエディションアップグレードも可能。また、Windows 10 Sプリインストールの一般向けのSurface Laptopなどの市販品は2018年3月31日までProへの無償アップグレードが可能(2018年4月1日以降は6,900円)。[疑問点 – ノート]バージョン1803(RS4)からは位置付けが「モード」となり、各エディションに搭載された[91]。原則としてSモードで出荷され、必要に応じて通常モードに切り替える運用となる。エディション別機能比較表[編集]下記の表は、各エディションごとの機能の違いを表にまとめたもの[92]。 Windows 10 の主な特徴
アップグレード SKU マップ[編集]次の表はWindows 7 SP1、Windows 8.1 Updateの各種エディションからアップグレードする場合のWindows 10のエディションの対応表である。下記以外のOSは無償アップグレードに対応しない[97]。なお、Windows 8.1 Pro Studentは日本のオンラインショップでは販売していない、学生向けのWindows 8.1 Professional(アカデミック版とは違う)。
ダウングレード[編集]Windows 10 Pro のOEM版および、Education、Enterprise を含むボリュームライセンス版に限り、旧バージョンのWindowsへのダウングレードが認められる。
いずれもライセンス上の規定であり、行使するには旧OSのインストールメディアおよびプロダクトキーを別途用意する必要がある。なお、ボリュームライセンス版のXP以降については認証方法が通常の製品とは異なっており、専用のインストールメディアとプロダクトキーが用意されている。 2016年4月時点では、法人向けPCメーカー製の一部機種でダウングレード権を適用してWindows 8 Pro / 8.1 Pro、もしくはWindows 7 Professionalを初期インストールしたPCが発売されている(実際の製品としてはWindows 7 Professionalへのダウングレードがほとんどである)[107][108][109]。なお、その場合でもユーザーはWindows 8 Pro / 8.1 Pro、およびWindows 7 Professionalのプロダクトキーを入手することはできず、当該PCに対しては、別途インストールメディアおよびプロダクトキーを入手しない限り、プロダクトキー入力が必要となるクリーンインストールはできない。 このほか、法人向け・個人向けに関わらずインテルの「Kaby Lake」または「Gemini Lake」以降、AMDの「Bristol Ridge」または「Ryzen」以降、クアルコムの「MSM8996」以降の各種次期マイクロアーキテクチャなどが採用された最新のCPUを各種搭載済みのメーカー製PC、または最新のCPUを組み込んだ自作PCについては、Windows 10のみのサポートとなるため、Windows 8.1(Update)以前のWindowsへのダウングレード、およびクリーンインストールは事実上不可能である[110]。 アップデートとサポート[編集]Windows 10 では Windows as a Service(サービスとしての Windows)という新たなコンセプトのもと、ローリングリリースモデルを新たに採用しており、従来の数年おきのメジャーアップグレードリリースを廃し、Windows Update により機能改善や新機能を含むOSのアップデートが継続的に無償で行われるようになっている。 また、Home エディションでは自動更新をオフにすることはできず、更新プログラムを選択してインストールすることは WSUS および Windows Update for Business で管理される場合のみ可能となった。通常の Windows Update を利用している場合は選択的なインストールはできず、すべての更新プログラムが自動でインストールされる。ユーザーは特に意識することなく、Windows 10 は常に最新の状態に保たれるようになっているが、企業では機能アップグレードの展開には検証期間を必要としたり、ミッションクリティカルな運用のため機能アップグレードは受け取りたくないといったニーズがある。そのため、Windows 10 では後述する Insider Preview を含めた4つのブランチが用意された。 WIPBを除くブランチはアップグレードの定期化に伴い2017年7月11日付でチャンネルに改称され、公式な日本語名称も用意されたが、既にリリースされた製品の呼称はそのままである為、2017年11月現在では混在状態となっている。また公式な略称も不明である為、本記事では略称は旧称を用いている。 Windows 10 のサポートとアップデート ブランチ[28][14][111][112][113][114][115][116][8][9]
更新プログラムの提供方法も変更された。Windows 10 の更新プログラムは累積的であり、パッケージには過去にリリースされたすべての修正(セキュリティ アップデートおよびセキュリティ以外)が含まれる[117][28][8][9]。過去にリリースされた Windows 10 の累積的な更新プログラムを既にインストールしている場合は、新たな累積的な更新プログラムがリリースされたとき、新しい修正のみがダウンロードされ、コンピューターにインストールされる[117]。そのため、ユーザーが新たに Windows 10 環境を展開した場合でも、最新の累積的な更新プログラムを1回適用するだけで済み、何度も Windows Update を実行する必要がなくなる。Windows 10 の更新プログラムは Windows Update からのみ提供され、Microsoft ダウンロード センターでは入手できなくなった。手動で更新プログラムを入手したい場合は、Microsoft Update カタログを利用する[117]。 Windows 10 (Home・Pro・Enterprise・Education)[編集]エディション(Home, Pro, Pro Education, Pro for Workstations および IoT
Core)のサポート終了日は、リリースから18ヶ月後[118]。 凡例: 旧バージョン 以前のバージョン、サポート中 最新バージョン
Current Branch (CB)から半期チャネル(対象指定)・ Semi-Annual Channel (Targeted) 、Current Branch for Business (CBB)から 半期チャネル ・ Semi-Annual Channel (SAC)へ名称変更された。[133] Long-Term Servicing Branch (LTSB) / 長期サービスチャネル / Long-Term Servicing Channel (LTSC)[編集]凡例: 旧バージョン 以前のバージョン、サポート中 最新バージョン
延長サポート終了日はリリース日の10年後に設定されている[136]。 メーカー側のサポート[編集]Windows 10 がサポートを受け続けるためには、BIOS、およびマザーボードにWindows 10に対応した最新のファームウェアに書き換えられていること、および各種デバイスに最新の更新プログラムをインストールしていることが必須条件となる[8][9]。ただし、マイクロソフトはデバイスのハードウェアに互換性がない場合、最新のドライバーが不足している場合(主に独自のデバイス(例:TVチューナーモジュール、Felicaポート、アプリケーションのワンタッチアクセス用のハードウェアキーなど)を搭載した日本国内市場向けの日本の大手メーカー製PCが顕著)、およびOEM のサポート期間が終了している場合は、デバイスは更新プログラムを受け取ることができない可能性があるとしており[8][9]、このようなシナリオではデバイスはサポートを受け続けることが出来ず、そのデバイスにおける Windows 10 のサポートはセキュリティの強化に伴うプログラムの更新を除き終了する。 2016年7月29日、日本の大手PCメーカーの東芝クライアントソリューション(東芝、現・Dynabook)は、Windows 10が最初からプリインストールされていない同社製の従来の機種(具体的にはWindows 8.1以前のWindowsがプリインストールされた2015年夏モデル以前の機種・バージョン1507・TH1リリース時に対応機種であったものも含む)に関してはAnniversary Update(バージョン1607・RS1)以降のWindows 10へのアップグレード、およびアップデートを正式にサポートしないことを表明している[137]。前述の通り、デバイスが寿命を終えるか機能アップグレードやセキュリティ更新プログラムを正常に適用できる限り動作はするが、メーカー保証はなくなり自己責任扱いとなる。 各メーカーのサポート機種は以下のようになっている。他のメーカーでも、アップデート対象外となった機種については動作に必要な固有ドライバーソフト、および購入時にプリインストールされていた対応アプリケーションソフトの修正プログラム等を提供しないとしており、Windows 10に於いては発表時期によっては発売から最短数年でアップグレードのサポート対象外となる。対象外とされた機種では、メーカーがアップデートの実行を抑止する対応を取るよう呼びかけている[138]。例えば NEC の場合、2016年9月~2017年6月に発表された LAVIE は May 2019 Update までしかサポートされず、May 2019 Update のサポート期限は2020年12月8日であり、これをもってサポート終了となる。この場合は、最短では発表から3年6ヶ月でサポート終了であり、また対象機種の販売終了は発表よりも後なので、購入からサポート終了までは更に短くなる。
システム要件[編集]発売当時の2015年7月29日に発表した時点のシステム要件[45][163]。 Windows 10 最小ハードウェア仕様要求
バージョン履歴[編集]Insider Program[編集]Insider Program(インサイダー プログラム)は、登録者がWindows製品のプレリリース (Insider Preview) をいち早く利用し、不具合の報告・要望などのフィードバックをマイクロソフトに送信することで、開発への協力が行えるプログラム。2014年9月30日のWindows 10の発表イベント後に登録が開始された。Microsoft アカウントを所有し、14歳以上であれば誰でも無料で参加することができるが、このプログラムで配布されるWindowsは正式版ではなく、あくまでプレビュー版であるため、PCに関するある程度の知識を持ち、いかなる不具合が発生しても対処できる者を対象としている。また、通常利用するPCにインストールせず、テスト用PCまたはハイパーバイザ(例:クライアントHyper-VやVMware、VirtualBoxなどの仮想化ソフトウェア)を利用することが好ましい(ストレージ周りの不具合の可能性から、特にFastリングではマルチブートはあまり好ましくない)。アップデートはWindows Updateによって配信されるが、ISOイメージも随時公開されており、これによるアップデートやクリーンインストールを評価する事もできる。Windows 10のリリース後もInsider Programは継続しており、Windows 10は小規模なアップデートが定期的に行われるため、それに先行してプレビュー版を登録者にリリースし、機能の評価や問題のフィードバックを行う。また、日本語版Cortanaは同プログラム登録者に先行して提供された。これらのバージョン履歴は上記にあげている。 バージョン1703からは法人を対象とした Insider Program for Business が新設された。[164] 安定度と先行度のどちらを優先するかに応じて、次の3種のリングが存在する。 Release Previewに関しては、他のリングからの直接変更は、リリース前後の両者のビルドが一致するタイミングでのみ可能であり、それ以外のタイミングで変更するには再インストールからやり直す必要がある。またRS4ではUI上での位置付けがリングから後述するブランチ(「早期更新プログラムだけを送ってください」)に移動された。
リリースビルドの確定に先行して次のビルドの評価を開始するため、RS3とRS4の間以降ではInsider Programの設定にリングとは別にブランチの選択肢が用意された。[165][166] 「次のバージョンのWindows」では元のブランチが、「Skip ahead to Next Windows release(通称Skip ahead)」では次のブランチが、それぞれ配信対象となる。 Build 17101(RS4)及び17604(RS5)からはWindows App Preview Programが新設され、アプリケーション毎のオプトイン形式でプレリリースバージョンを評価できるようになった(Skip aheadを選択している場合には既定でプレリリースバージョンが配布される)。 Build 19536からはそれまで存在したSkip Aheadリングが廃止され、Fastリングに次々期リリースが配布されるようになった。[167] 2020年6月16日に「リングモデル」から「チャネルモデル」へ再編成され、「Fastリング」から「Devチャネル」、「Slowリング」から「Betaチャネル」、「ReleasePreviewリング」から「ReleasePreviewチャネル」となった。[168]
沿革[編集]2014年
批判およびクレーム[編集]
脚注[編集]注釈[編集]
出典[編集]
外部リンク[編集]
Windows 10 Enterpriseのサポート期間は?Windows 10 Enterprise、Education、および Education IoT エディション (バージョン 1607、1703、1709、1803) の現在サポートされている機能更新プログラムはすべて、それらの最初のリリース日から 30 か月間サポートされます。
Windows10 Enterprise 1607のサポート期限は?Windows 10 Version 1607 Education、Enterprise、および IoT Enterprise は、2019 年 4 月 9 日にサービス終了となります。
Win10 1809 Enterpriseのサポート期限は?Windows 10 (バージョン 1803 およびバージョン 1809) は、2021 年 5 月 11 日にサービス終了となります。
Windows10 IoT Enterpriseのサポート期限は?アップデートごとにサポート期間が設定されており、現在、Windows 10 IoT Enterpriseは30カ月、Windows 11 IoT Enterpriseは36カ月のサポート期間が定められています。
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