耐震壁を増設する工事においてコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては

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耐震壁を増設する工事においてコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては

(本欄は、当会の建築士講座講師が適宜分担して執筆し、当会建築士講座監修者(元国土交通省室長)が総合監修します。)

(令和4年度 第16回)令和4年7月21日

耐震改修に関する施工の問題

前回では、ストックの時代の到来による良質な社会資産の形成に向けた修繕、改修についての実例を近年、試験の出題頻度としても増加の傾向にある施工の問題を通して考えてみましたが、今回は良質な社会資産の形成に向けた耐震改修に関する施工の問題について考えてみることとします。

【問題1】鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. コンクリートの中性化深さの測定において、コンクリートの断面にフェノールフタレイン溶液を噴霧して、赤紫色に変色しない範囲を、中性化した部分と判断した。
  2. 鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、増設壁の鉄筋の既存柱への定着については、既存柱を斫(はつ)って露出させた柱主筋に増設壁の鉄筋の端部を135度に折り曲げたフックをかけた。
  3. 炭素繊維シートによる独立した角柱の補強工事において、シートの水平方向のラップ位置については、構造的な弱点をなくすため、柱の同一箇所、同一面とした。
  4. 溶接金網による柱のRC巻き立て補強において、流込み工法によってコンクリートを打ち込み、打込み高さ1m程度ごとに十分に締固めを行った。

この問題は平成21年度の耐震改修に係わる一級建築士施工の問題ですが、一部に直接耐震改修に関係のない修繕、改修についての設問も含まれています。

設問1はコンクリートの経年により、本来鉄筋の防錆の役割を有するコンクリートのアルカリ性が中性化していく現象を問うもので、設問1の記述内容は正です。

また、設問2は耐力壁の増設工事と設問4は柱の溶接金網巻き工法による補強工事の施工法について問うものですが、設問2,4ともに正です。

設問3は、特に柱の靭性を増し、脆性破壊の防止に効果のある炭素繊維シート巻きによる補強では、ラップ位置が同一箇所、同一面に集中すると構造上の弱点となるため、ラップ位置は、柱の各面に分散させることが原則であることにより、設問3は誤りです。

【問題2】耐震改修工事に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、既存梁と接合する新設壁へのコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり、型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては、既存梁の下端から10cm高い位置とした。
  2. 柱補強工事の溶接金網巻き工法において、流込み工法によってコンクリートを打込み、打込み高さ1m程度ごとに十分に締固めを行った。
  3. 既存の柱と壁との接合部に耐震スリットを新設する工事において、既存の壁の切断に用いる機器を固定する「あと施工アンカー」については、垂れ壁や腰壁への打込みを避け、柱や梁に打ち込んだ。
  4. 柱補強工事の連続繊維補強工法において、連続繊維シートの貼付けは、貼り付けた連続繊維シートの上面に、下塗りの含浸接着樹脂がにじみ出るのを確認してから、上塗りの含浸接着樹脂をローラーで塗布した。

この問題は、平成25年度一級建築士の耐震改修に係わる施工の問題ですが、設問の一部には、耐震計画についての構造計画の知識を要するものも含まれています。

設問1,2,4は施工法そのものについての知識を問うものでいずれも正ですが、設問3は鉄筋コンクリート造の建築物において柱と同一構面内に垂れ壁や腰壁がある場合には、柱は実質上短柱となり、せん断力による脆性的な破壊が生じやすくなるため、既存の柱と垂れ壁や腰壁の間にスリットを設けることにより柱が短柱となることを避け、耐震性を向上させようとするものです。

この場合に、直接、耐震性に関係する柱や梁への「あと施工アンカー」等の打ち込みは避けるのが原則ですので、設問3は誤りです。

耐震改修は、申すまでもなく、現行耐震基準に適合しないこと等により耐震性に問題のある建物を改修して、耐震性を向上させようとするものですが、従前であれば耐震性に問題のある建物は壊して、建て替える事例も多かったものを、耐震改修により当該建物を再利用していく、リノベーションによる良質の社会資本の蓄積の一環であるとも考えることができ、現在の社会状況を反映した問題として出題頻度も高くなっていくことが予想されます。

なお、耐震改修に関する施工上の問題では、単に施工の技術上の知識だけではなく、耐震改修に係わる構造理論に関する知識を要するものもあることに留意し、構造計画と関連した学習をしておく必要があります。

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耐震壁を増設する工事においてコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては

一級建築士試験分野別まとめ施工改修工事

耐震壁を増設する工事においてコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては

1級建築士学科試験:2023年7月23日(日)
令和05年度試験日まであと 日!

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(公益財団法人よりWEB上での公開認定取得済)

一級建築士試験13年分
分野別まとめ

(平成20年度から令和02年度まで)

一級建築士施工改修工事

〔R02 No.22〕鉄筋コンクリート造の建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鋼板巻き工法による柱補強工事において、鋼板の形状を角形としたので、コーナー部分の曲げ加工の内法半径については、鋼板の板厚の2.5倍とした。
2.枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、既存の柱や梁に施す目荒しについては、電動ピックを用いて、平均深さで2~5mm程度の凹面を、その合計の面積が打継ぎ面の20%程度の面積となるように全体にわたって付けた。
3.耐震壁を増設する工事において、コンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり、型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては、既存梁の下端から10cm高い位置とした。
4.既存壁の開口部を閉塞して耐震壁とする工事において、開口部周囲のは ・つ・り・出した壁筋と新設の壁筋との継手については、無理に台直しを行わず、0.2L (L:重ね継手の長さ)以下、かつ、150mm以下の隙間を開けた「あき重ね継手」とした。

〔R02 No.23〕鉄筋コンクリート造の建築物の各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存保護層を撤去し、既存アスファルト防水層を残して行う防水改修工事において、既存アスファルト防水層の継目等の剥離箇所及び浮き部分については、切開し、バーナーで熱した後、溶融アスファルトを充填し、張り合わせた。
2.防水改修工事において、防水層撤去後の新設防水層の下地となる既存コンクリート面の欠損部については、ポリマーセメントモルタルにより平滑に補修した。
3.タイル張り仕上げ外壁で、構造体コンクリートと下地モルタルとの間に浮きが発生している箇所を、アンカーピニング部分エポキシ樹脂注入工法により、固定する工事において、アンカーピニング固定部の穿孔については、タイルの目地部分に構造体コンクリート中に30mmの深さに達するまで行った。
4.コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、ひび割れ幅が0.2mmから1.0mmの間に分布していたので、ひび割れ部改修工法としてシール工法を採用した。

〔R01 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、壁厚が厚い複配筋の既存開口壁を鉄筋コンクリートにより閉塞するに当たり、開口周囲に埋め込む「あと施工アンカー」の埋込み長さについては、特記がなかったので、10da(da:アンカー筋径)とした。
2.枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、鉄骨枠と既存躯体との間にグラウト材(無収縮モルタル)を圧入したところ、圧入したグラウト材と既存躯体との間に3mmの間ができてしまったので、その間にエポキシ系樹脂を圧入した。
3.鋼板巻き工法による柱補強工事において、二分割した鋼板を現場で一体化するに当たり、鋼板の厚さが6mmであったので、突合せ溶接とした。
4.溶接金網巻き工法による柱補強工事において、溶接金網の継手を重ね継手とするに当たり、溶接金網の縦筋の間隔が100mmであったので、その継手長さを200mmとした。

〔H30 No.22〕鉄筋コンクリート造の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存コンクリートの圧縮強度試験について、コアを壁厚の小さい部位から採取することになり、コア供試体の高さ(h)と直径(d)との比(h/ d)が1.5となったので、 h/d の数値に応じた補正係数を乗じて、直径の2倍の高さをもつ供試体の強度に換算した。
2.鉄骨枠付きブレースのスタッド溶接完了後の外観試験において、溶接後の仕上り高さと傾きの試験については、スタッドの種類及びスタッド溶接される部材が異なるごと、かつ、100本ごと及びその端数を試験ロットとし、各ロットの1本以上について抜取試験を行った。
3.既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強のための鉄骨枠付きブレースの設置工事において、鉄骨枠内に使用するグラウト材の品質管理における圧縮強度試験については、供試体の材齢を3日及び28日として管理を行った。
4.鉄筋コンクリート造の新設耐震壁の増設工事において、本体打込み式の改良型の金属系アンカーを使用するに当たり、ドリルで穿孔する穿孔深さについては、有効埋込み深さと同じ深さとした。

〔H29 No.22〕耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造の増打ち耐震壁の増設工事において、打継ぎ面となる既存構造体コンクリートの表面については、特記がなかったので、目荒しとしてコンクリートを30mm程度斫はつり、既存構造体の鉄筋を露出させた。
2.鉄筋コンクリート造の耐力壁の新設工事において、新規に打ち込むコンクリートについては、壁頭部にグラウト材を注入することとしたので、梁下200mm程度の位置でコンクリートを打ち止めた。
3.金属系あと施工アンカーの穿孔作業において、穿孔した傾斜角が施工面への垂線に対して5度以内であったので合格とした。
4.金属系あと施工アンカーの施工後の現場非破壊試験において、引張試験を行うための確認試験荷重は、特記がなかったので、計算で得られた、「アンカーの鋼材による引張荷重」又は「コンクリート破壊による引張荷重」の小さいほうの2/3程度の値とした。

〔H28 No.23〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート壁において、豆板が発見された部分のコンクリートの打直しを行うに当たり、図-1(X-X’断面)のように、コンクリートをは・つ・り・取った後に露出した鉄筋と周囲のコンクリートとの隙間の寸法aを最低20mm程度とした。
2.コンクリート壁において、豆板が発見された部分のコンクリートの打直しを行うに当たり、図-1(Y-Y’断面)のように、開口部の上端のコンクリート打設側の寸法bを100mm以上となるように斜めには・つ・り・取った。
3.接着系アンカーによる「あと施工アンカー」の穿せん孔作業において、図-2のように、やむを得ず傾斜して穿せん孔しなければならなかったので、施工面への垂線に対して傾斜角cを15度以内で行った。
4.壁開口部の金属系アンカーによる「あと施工アンカー」の施工において、図-3のように、既存梁の主筋とせん断補強筋で囲まれた内側になるように配置し、既存柱からのは・し ・あ・き・の寸法dをアンカー軸部の直径の5倍以上とした。

耐震壁を増設する工事においてコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては

〔H27 No.19〕天井の耐震改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存建築物の特定天井に該当する既存の天井を耐震化する必要があったが、天井下地の補強が困難であったため、既存の天井が破損しても落下しないようにネット張りにてその対策を行った。
2.宴会場に新設する天井について、床からの高さが10mでその天井水平投影面積が600m2であったが、天井(天井面構成部材等)を単位面積質量が1.5kg/m2の膜天井とし、特定天井としなかった。
3.仕様ルートの適用による検証を行った特定天井においては、天井面構成部材と壁及び柱との隙間を6cm以上とした。
4.音楽堂のホワイエに新設する天井について、床からの高さが8mでその水平投影面積が400m2、天井(天井面構成部材等)の単位面積質量が10kg/m2であったが、ホワイエが避難階にあり非常口が隣接するための緩和措置を適用し、特定天井としなかった。

〔H27 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.柱の鋼板巻き立て補強において、鋼板を角形に巻くこととしたので、コーナー部の曲げ内法半径については、鋼板の板厚の2倍とした。
2.独立した矩形柱の炭素繊維シートによる補強工事において、シートの水平方向のラップ位置については、構造的な弱点をなくすために、柱の同一箇所、同一面とならないようにした。
3.あと施工アンカー工事において、接着系アンカーの埋込み時に接着剤がコンクリート表面まであふれ出てこなかったので、直ちにアンカー筋を引き抜き、カプセルを追加して接着剤があふれ出るようにアンカー筋を埋め込んだ。
4.鉄筋コンクリート壁の増打ち壁において、シアコネクタの設置位置は、特記がなかったので、D13の異形鉄筋によるあと施工アンカー」を用い、縦横30~50cm程度の間隔とした。

〔H26 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリートの中性化深さの測定において、コンクリートを鉄筋位置まで部分的にはつり、コンクリート面に噴霧したフェノールフタレイン溶液が赤紫色に呈色しない範囲を中性化した部分と判断した。
2.鉄骨ブレースによる補強工事の補強接合部に用いる「あと施工アンカー」については、特記がなかったので、金属系アンカーと接着系アンカーを交互に使用した。
3.独立柱の炭素繊維巻き付け補強において、炭素繊維シートの重ね長さを、200mm以上確保した。
4.独立柱の鋼板巻き立て補強において、鋼板の継目を現場突合せ溶接としたので、鋼板の板厚を、6mmとした。

〔H25 No.22〕耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、既存梁と接合する新設壁へのコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり、型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては、既存梁の下端から10cm高い位置とした。
2.柱補強工事の溶接金網巻き工法において、流込み工法によってコンクリートを打ち込み、打込み高さ1m程度ごとに十分に締固めを行った。
3.既存の柱と壁との接合部に耐震スリットを新設する工事において、既存の壁の切断に用いる機器を固定する「あと施工アンカー」については、垂れ壁や腰壁への打込みを避け、柱や梁に打ち込んだ。
4.柱補強工事の連続繊維補強工法において、連続繊維シートの貼付けは、貼り付けた連続繊維シートの上面に、下塗りの含浸接着樹脂がにじみ出るのを確認してから、上塗りの含浸接着樹脂をローラーで塗布した。

〔H24 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.現場打ち鉄筋コンクリート造の耐震壁の増設工事において、グラウト材の品質管理として行う圧縮強度試験の供試体の材齢については、3日、7日及び28日とした。
2.現場打ち鉄筋コンクリート造の耐震壁の増設工事において、増設壁の鉄筋の既存柱への定着については、既存柱を研はつって露出させた柱主筋に、増設壁の鉄筋の端部を135度に折り曲げたフックをかけた。
3.あと施工アンカー工事において、接着系アンカーの埋込み時に内部に空洞等があり、接着剤がコンクリート表面まであふれ出てこなかったので、アンカー筋を引き抜き、カプセルを追加して、接着剤があふれ出るようにアンカー筋を埋め込んだ。
4.開口部がある現場打ち鉄筋コンクリート造の耐震壁の増設工事において、その壁の開口部補強筋の端部の定着をあと施工アンカーによって行うとき、特記がなかったので、埋込み長さが8da(da:アンカー筋の外径)の接着系アンカーを用いた。

〔H23 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.あと施工アンカーの施工後の引張試験は、計算で得られたアンカー強度の2を確認強度とし、抜け出し等の急激な剛性低下がないことを確認する非破壊試験とした。
2.鉄筋コンクリート造の増打ち耐震壁の増設工事において、打継ぎ面となる既存構造体コンクリートの表面については、目荒しとしてコンクリートを30mm程度研はつり取り、既存構造体コンクリートの鉄筋を露出させた。
3.柱の炭素繊維巻き付け補強において、炭素繊維シートの重ね長さについては、母材破断を確保できる長さとして200mmとした。
4.鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、既存梁との取合い部分については、グラウト材注入工法を採用し、グラウト材の注入口とは別に、既存梁下に直径10mmのエア抜きパイプを設け、グラウト材がエア抜きパイプから出てくることにより充填てんを確認した。

〔H22 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造の新設耐震壁の増設工事に使用する改良型本体打込み式の金属系アンカーの施工において、ドリルで実際に穿せん孔する孔深さについては、有効埋込み深さ(計算上での埋込み深さ)と同じ深さとした。
2.鉄筋コンクリート造の増打ち耐震壁の増設工事において、コンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たって、打込み区画については、1壁ごととし、打継ぎをしなかった。
3.あと施工アンカー施工後の引張試験において、試験本数については、特記がなかったので、1ロットに対し3本とし、ロットから無作為に抜き取った。
4.枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、既存構造体との取合い部に設ける型枠は、グラウト材圧入後に型枠を取り外して充填てん状況を確認できるように、片側を取外し可能な木製型枠とした。

〔H22 No.23〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の外壁改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリートの中性化の進行に伴う鉄筋の腐食の補修において、鉄筋の腐食に対する恒久的な補修工法として、腐食した鉄筋を斫り出し、錆 さびを除去した鉄筋に浸透性吸水防止材を塗布した後に、コンクリートの欠損部にポリマーセメントモルタルを充填てんした。
2.タイル張り仕上げ外壁の改修において、タイルの大きさが小ロタイル以上のタイル陶片の浮きについては、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法を採用した。
3.塗り仕上げ外壁の改修において、既存塗膜を除去する必要がなかったので、水洗い工法により塗膜表面の粉化物や付着物を除去し、上塗りのみ塗り替えた。
4.モルタル塗り仕上げ外壁の欠損部を充填てん工法で改修する場合において、欠損範囲が直径20cm程度で、充填てんする厚さが約10mmであったので、ポリマーセメントモルタルを2層に分けて塗り重ねて充填てんした。

〔H21 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリートの中性化深さの測定において、コンクリートの断面にフェノールフタレイン溶液を噴霧して、赤紫色に変色しない範囲を、中性化した部分と判断した。
2.鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、増設壁の鉄筋の既存柱ヘの定着については、既存柱を研はつって露出させた柱主筋に、増設壁の鉄筋の端部を135度に折り曲げたフックをかけた。
3.炭素繊維シートによる独立した角柱の補強工事において、シートの水平方向のラップ位置については、構造的な弱点をなくすため、柱の同一箇所、同一面とした。
4.溶接金網による柱のRC巻き立て補強において、流込み工法によってコンクリートを打ち込み、打込み高さ1m程度ごとに十分に締固めを行った。

〔H20 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存の柱と壁との接合部に耐震スリットを新設する工事において、既存の壁の切断に用いる機器を固定する「あと施工アンカー」については、垂れ壁や腰壁への打込みを避け、柱や梁へ打ち込んだ。
2.鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、コンクリートの打込みを圧入工法により行うに当たって、型枠下部に圧入孔管を取り付け、型枠上部にオーバーフロー管を設けた。
3.独立柱の炭素繊維巻き付け補強において、炭素繊維シートの繊維方向の重ね長さについては、母材破断を確保できる長さとし、200mm以上とした。
4.枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、補強接合部に用いる「あと施工アンカー」については、特記がなかったので、改良型頭付本体打込み式の金属系アンカーを使用した。
5.独立柱の鋼板巻き立て補強において、既存コンクリート部材と補強鋼材との隙すき間に圧入するグラウト材については、プレミックスタイプの無収縮モルタルとした。

〔R01 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存のアスファルト防水の改修工事において、既存防水層を非撤去とすることとしたので、立上り部及びルーフドレン回りの防水層についても非撤去とした。
2.既存のウレタンゴム系塗膜防水を撤去せず、新規にウレタンゴム系塗膜防水を施す改修工事において、既存防水層の膨れ部分については、カッターナイフで切除し、ポリマーセメントモルタルで平坦に仕上げた。
3.既存のモルタル塗り仕上げ外壁の仕上塗材の改修工事において、既存塗膜の劣化部の除去を高圧水洗工法で行うに当たり、その処理範囲については、特記がなかったので、既存仕上げ面全体とした。
4.コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、鉄筋が露出していない比較的浅い欠損部であったので、ポリマーセメントモルタル充填工法を採用して補修した。

〔H30 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.防水改修工事において、既存保護コンクリートの撤去に用いるハンドブレーカーは、躯体や仕上げ材に損傷を与えないように、質量15kg未満のものとした。
2.アスベスト含有建材の除去工事においては、除去したアスベスト含有吹付け材等の飛散防止のため、除去作業場所にて、所定のプラスチック製の袋の中に入れ、袋の中の空気を十分に抜く際に、この材等が湿潤化していることを確認した。
3.コンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ部の改修工事において、自動式低圧エポキシ樹脂注入工法で行うに当たり、エポキシ樹脂注入材の注入完了後、注入材が硬化する前に速やかに注入器具を撤去した。
4.アルミニウム製建具のかぶせ工法による改修工事において、新規建具と鉄筋コンクリート造の躯体との取合い部に用いるシーリング材については、目地深さが所定の寸法であり、新規建具と躯体間の挙動が少ないことが確認できたので、ボンドブレーカーを省略し三面接着とした。

〔H29 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.かぶせ工法により既存建具を新規建具とする改修において、既存建具の方立・無目・障子等を撤去したうえで、外周枠を残し、その上から新規金属製建具を取り付けた。
2.塗膜はく離剤工法における既存の防水形複層塗材の塗り仕上げ外壁の改修において、特記がなかったので、試験施工を行ったうえで、既存の弾性を有する有機系塗膜を全面除去した。
3.タイル張り仕上げ外壁の改修において、モザイクタイルの広範囲にわたる浮きの改修については、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法を採用した。
4.シーリング再充填工法による防水改修において、既存シーリング材の除去については、目地被着体に沿ってカッターにより切込みを入れ、既存シーリング材をできる限り除去した後に、サンダー掛け等により清掃を行った。

〔H28 No.22〕改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート打放し仕上げの外壁のひび割れ部の手動式エポキシ樹脂注入工法による改修工事において、鉛直方向のひび割れ部については、ひび割れ部の下部の注入口から上部へ順次注入した。
2.保護アスファルト工法による陸屋根の保護層を残し改修用ルーフドレンを設けない防水改修工事において、既存ルーフドレンの周囲の既存防水層の処理に当たっては、既存ルーフドレン端部から500mm程度の範囲の既存保護層を四角形に撤去した後、既存ルーフドレン端部から300mm程度の範囲の既存防水層を四角形に撤去した。
3.特定天井の天井下地に該当しない一般的な軽量鉄骨天井下地を新設する内装改修工事において、既存の埋込みインサートを再使用することとしたので、引き抜けないことを確認するために、工事対象階の3箇所でそれぞれ400Nの荷重により、吊りボルトの引抜き試験を行った。
4.建築物の劣化診断方法において、コンクリートの中性化深さの調査を、電磁波レーダ法により行った。

〔H27 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.屋上緑化改修工事において、植物の地下茎が肥大成長するときに、耐根層のシートの隙間を貫通しないよう、耐根シートの重ね合わせの接合部については、平場と同等の性能となるよう接合した。
2.防火認定が必要な壁紙の張替え工事において、コンクリート下地に強く張り付いた既存の壁紙の裏打ち紙を残し、新規の壁紙を張り付けた。
3.アルミニウム製建具の改修工事において、新規建具と鉄筋コンクリート躯体の取合いのシーリングは、目地深さが所定の寸法であり、被着体の挙動が少ないことが確認できたので、ボンドブレーカーを省略し三面接着とした。
4.下地がモルタル塗りである塗床の改修工事において、既存の合成樹脂塗床材の除去は、電動ケレン棒を使用し、当該塗床材をモルタルとともに一体で撤去した。

〔H26 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.防水改修工事を行うに当たり、既存保護コンクリートの撤去は、ハンドブレーカーを使用し、取合い部の仕上げ及び構造体に影響を及ぼさないように行った。
2.既存の塗り仕上げ外壁の改修工事において、劣化の著しい塗膜や下地コンクリートの脆ぜい弱部分の除去については、高圧水洗工法を採用した。
3.タイル張り仕上げ外壁のひび割れ部の改修工事において、タイル張り仕上げの撤去に当たり、ひび割れ周辺をタイル目地に沿ってダイヤモンドカッターで切り込みを入れ、ひび割れ部と健全部との縁を切った。
4.アスベスト含有建材の処理工事において、除去したアスベスト含有吹付け材は、所定の厚さのプラスチック袋の中に入れ、十分に乾燥していることを確認したうえで、空気を抜いて密封した。

〔H25 No.23〕外壁改修工事及び防水改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存のコンクリート打放し仕上げ外壁を厚付け仕上塗材仕上げとする改修工事において、下地調整については、コンクリート壁の目違いをサンダー掛けで取り除き、下地調整塗材の塗付けは省略した。
2.砂付あなあきルーフィングを用いる絶縁工法によるアスファルト防水層の改修工事において、施工時の降雨に対する養生方法の特記がなく、新規防水層の2層目のルーフィング張りまで終えたので、1日の作業終了後、シートによる降雨に対する養生は省略した。
3.モルタル塗り仕上げ外壁の浮き部分の改修工事において、アンカーピンニング全面エポシキ樹脂注入工法を用いたので、全ネジ切りアンカーピンを固定するために使用するエポキシ樹脂の種類を硬質形、粘性による区分を低粘度形とした。
4.既存のウレタンゴム系塗膜防水を撤去せず新規にウレタンゴム系塗膜防水を施す改修工事において、既存防水層のふくれ部分については、カッターナイフで切除し、ポリマーセメントモルタルで平滑に補修した。

〔H24 No.23〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存躯体のシーリングについて、防水上必要なシーリングの断面形状が確保されていなかったので、既存のシーリング材を撤去した後、ダイヤモンドカッターを用いて目地幅を拡幅し、新規にシーリング材を充填した。
2.既存外壁のタイルの張替えにおいて、外部側に柱形及び梁形がある開口部のない壁面に、ひび割れ誘発目地がなかったので、柱形及び梁形の入隅部とスパン中央部に、下地コンクリートのひび割れ誘発目地及びタイル仕上げ面の伸縮調整目地を設けた。
3.モルタル外壁の塗装表面に付着したエフロレッセンスについては、表面に析出した白色物質を、ワイヤーブラシで削り、水洗いによって完全に除去した。
4.床仕上げ下地のセルフレベリング材による補修については、吸水調整材が十分に乾燥した後、臭気が籠こもるのを防ぐため、できる限り通風を確保して流し込みを行った。

〔H23 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.既存の塗り仕上げ外壁の改修において、劣化の著しい既存塗膜や下地コンクリートの脆ぜい弱部分の除去については、高圧水洗工法を採用した。
2.自動式低圧エポキシ樹脂注入工法によるコンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ部の改修において、エポキシ樹脂の注入完了後、速やかに注入器具を撤去した。
3.既存保護層を撤去し、既存アスファルト防水層を残して行う防水改修工事において、既存アスファルト防水層の損傷箇所、継目等の剥はく離箇所については、切開し、バーナーで熱した後、溶融アスファルトを充填てんし、張り合わせた。
4.防水改修工事におけるルーフドレン回りの処理に当たって、防水層及び保護層の撤去端部は、既存の防水層や保護層を含め、ポリマーセメントモルタルで、1/2程度の勾配に仕上げた。

〔H21 No.23〕外壁改修工事及び防水改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、幅が1.0mmを超え、かつ、挙動するひび割れ部については、エポキシ樹脂注入工法により行った。
2.コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、軽徴な剥はがれや比較的浅い欠損部については、ポリマーセメントモルタル充填てん工法により行った。
3.シーリング再充填てん工法による防水改修工事において、既存シーリング材の除去については、目地被着体に沿ってカッターにより切込みを入れて、できるだけ除去した後に、バフ掛け、サンダー掛け等により清掃を行った。
4.改質アスファルトシート防水工法により防水層を新設する防水改修工事において、平場部の既存アスファルト防水層及び保護層については、撤去せずに新設する防水層の下地とした。

〔H20 No.23〕改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.アスファルト防水層を密着工法により新設する防水改修工事において、新設する防水層の1層目のルーフィング張りまで行ったので、作業終了後のシー卜による降雨に対する養生を省略した。
2.軽量鉄骨天井下地を新設する内装改修工事において、既存の埋込みインサー卜については、引抜き試験により荷重400Nで引き抜けないことを確認したうえで、再使用した。
3.タイルを部分的に張り替える外壁改修工事において、ポリマーセメントモルタルによりタイルを張り付けるに当たって、張替え下地面の水湿しを行った。
4.かぶせ工法による建具改修工事において、既存の鋼製建具の枠の厚さが1.3mm以上残っていることを確認したうえで、既存の建具の外周枠の上から新規金属製建具を取り付けた。
5.アスベスト含有吹付け材の除去処理工事において、隔離養生に用いたシートについては、プラスチック袋に密封して特定建設資材廃棄物として処理した。

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