合格への鍵 講座>合格への鍵 講座 (本欄は、当会の建築士講座講師が適宜分担して執筆し、当会建築士講座監修者(元国土交通省室長)が総合監修します。) (令和4年度 第16回)令和4年7月21日 耐震改修に関する施工の問題前回では、ストックの時代の到来による良質な社会資産の形成に向けた修繕、改修についての実例を近年、試験の出題頻度としても増加の傾向にある施工の問題を通して考えてみましたが、今回は良質な社会資産の形成に向けた耐震改修に関する施工の問題について考えてみることとします。 【問題1】鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
この問題は平成21年度の耐震改修に係わる一級建築士施工の問題ですが、一部に直接耐震改修に関係のない修繕、改修についての設問も含まれています。 設問1はコンクリートの経年により、本来鉄筋の防錆の役割を有するコンクリートのアルカリ性が中性化していく現象を問うもので、設問1の記述内容は正です。 また、設問2は耐力壁の増設工事と設問4は柱の溶接金網巻き工法による補強工事の施工法について問うものですが、設問2,4ともに正です。 設問3は、特に柱の靭性を増し、脆性破壊の防止に効果のある炭素繊維シート巻きによる補強では、ラップ位置が同一箇所、同一面に集中すると構造上の弱点となるため、ラップ位置は、柱の各面に分散させることが原則であることにより、設問3は誤りです。 【問題2】耐震改修工事に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
この問題は、平成25年度一級建築士の耐震改修に係わる施工の問題ですが、設問の一部には、耐震計画についての構造計画の知識を要するものも含まれています。 設問1,2,4は施工法そのものについての知識を問うものでいずれも正ですが、設問3は鉄筋コンクリート造の建築物において柱と同一構面内に垂れ壁や腰壁がある場合には、柱は実質上短柱となり、せん断力による脆性的な破壊が生じやすくなるため、既存の柱と垂れ壁や腰壁の間にスリットを設けることにより柱が短柱となることを避け、耐震性を向上させようとするものです。 この場合に、直接、耐震性に関係する柱や梁への「あと施工アンカー」等の打ち込みは避けるのが原則ですので、設問3は誤りです。 耐震改修は、申すまでもなく、現行耐震基準に適合しないこと等により耐震性に問題のある建物を改修して、耐震性を向上させようとするものですが、従前であれば耐震性に問題のある建物は壊して、建て替える事例も多かったものを、耐震改修により当該建物を再利用していく、リノベーションによる良質の社会資本の蓄積の一環であるとも考えることができ、現在の社会状況を反映した問題として出題頻度も高くなっていくことが予想されます。 なお、耐震改修に関する施工上の問題では、単に施工の技術上の知識だけではなく、耐震改修に係わる構造理論に関する知識を要するものもあることに留意し、構造計画と関連した学習をしておく必要があります。 ▲TOPへ戻る 一級建築士試験分野別まとめ施工改修工事1級建築士学科試験:2023年7月23日(日) このWEBサイトは建築士試験に限定した資料集です
分野別まとめ (平成20年度から令和02年度まで) 一級建築士施工改修工事〔R02 No.22〕鉄筋コンクリート造の建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.鋼板巻き工法による柱補強工事において、鋼板の形状を角形としたので、コーナー部分の曲げ加工の内法半径については、鋼板の板厚の2.5倍とした。 〔R02 No.23〕鉄筋コンクリート造の建築物の各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存保護層を撤去し、既存アスファルト防水層を残して行う防水改修工事において、既存アスファルト防水層の継目等の剥離箇所及び浮き部分については、切開し、バーナーで熱した後、溶融アスファルトを充填し、張り合わせた。 〔R01 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、壁厚が厚い複配筋の既存開口壁を鉄筋コンクリートにより閉塞するに当たり、開口周囲に埋め込む「あと施工アンカー」の埋込み長さについては、特記がなかったので、10da(da:アンカー筋径)とした。 〔H30 No.22〕鉄筋コンクリート造の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存コンクリートの圧縮強度試験について、コアを壁厚の小さい部位から採取することになり、コア供試体の高さ(h)と直径(d)との比(h/ d)が1.5となったので、 h/d の数値に応じた補正係数を乗じて、直径の2倍の高さをもつ供試体の強度に換算した。 〔H29 No.22〕耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.鉄筋コンクリート造の増打ち耐震壁の増設工事において、打継ぎ面となる既存構造体コンクリートの表面については、特記がなかったので、目荒しとしてコンクリートを30mm程度斫はつり、既存構造体の鉄筋を露出させた。 〔H28 No.23〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.コンクリート壁において、豆板が発見された部分のコンクリートの打直しを行うに当たり、図-1(X-X’断面)のように、コンクリートをは・つ・り・取った後に露出した鉄筋と周囲のコンクリートとの隙間の寸法aを最低20mm程度とした。
〔H27 No.19〕天井の耐震改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存建築物の特定天井に該当する既存の天井を耐震化する必要があったが、天井下地の補強が困難であったため、既存の天井が破損しても落下しないようにネット張りにてその対策を行った。
〔H27 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.柱の鋼板巻き立て補強において、鋼板を角形に巻くこととしたので、コーナー部の曲げ内法半径については、鋼板の板厚の2倍とした。 〔H26 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.コンクリートの中性化深さの測定において、コンクリートを鉄筋位置まで部分的にはつり、コンクリート面に噴霧したフェノールフタレイン溶液が赤紫色に呈色しない範囲を中性化した部分と判断した。
〔H25 No.22〕耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、既存梁と接合する新設壁へのコンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり、型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては、既存梁の下端から10cm高い位置とした。 〔H24 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.現場打ち鉄筋コンクリート造の耐震壁の増設工事において、グラウト材の品質管理として行う圧縮強度試験の供試体の材齢については、3日、7日及び28日とした。
〔H23 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.あと施工アンカーの施工後の引張試験は、計算で得られたアンカー強度の2を確認強度とし、抜け出し等の急激な剛性低下がないことを確認する非破壊試験とした。
〔H22 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.鉄筋コンクリート造の新設耐震壁の増設工事に使用する改良型本体打込み式の金属系アンカーの施工において、ドリルで実際に穿せん孔する孔深さについては、有効埋込み深さ(計算上での埋込み深さ)と同じ深さとした。
〔H22 No.23〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の外壁改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.コンクリートの中性化の進行に伴う鉄筋の腐食の補修において、鉄筋の腐食に対する恒久的な補修工法として、腐食した鉄筋を斫り出し、錆
さびを除去した鉄筋に浸透性吸水防止材を塗布した後に、コンクリートの欠損部にポリマーセメントモルタルを充填てんした。 〔H21 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.コンクリートの中性化深さの測定において、コンクリートの断面にフェノールフタレイン溶液を噴霧して、赤紫色に変色しない範囲を、中性化した部分と判断した。 〔H20 No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存の柱と壁との接合部に耐震スリットを新設する工事において、既存の壁の切断に用いる機器を固定する「あと施工アンカー」については、垂れ壁や腰壁への打込みを避け、柱や梁へ打ち込んだ。 〔R01 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存のアスファルト防水の改修工事において、既存防水層を非撤去とすることとしたので、立上り部及びルーフドレン回りの防水層についても非撤去とした。
〔H30 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.防水改修工事において、既存保護コンクリートの撤去に用いるハンドブレーカーは、躯体や仕上げ材に損傷を与えないように、質量15kg未満のものとした。
〔H29 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.かぶせ工法により既存建具を新規建具とする改修において、既存建具の方立・無目・障子等を撤去したうえで、外周枠を残し、その上から新規金属製建具を取り付けた。 〔H28 No.22〕改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.コンクリート打放し仕上げの外壁のひび割れ部の手動式エポキシ樹脂注入工法による改修工事において、鉛直方向のひび割れ部については、ひび割れ部の下部の注入口から上部へ順次注入した。 〔H27 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.屋上緑化改修工事において、植物の地下茎が肥大成長するときに、耐根層のシートの隙間を貫通しないよう、耐根シートの重ね合わせの接合部については、平場と同等の性能となるよう接合した。 〔H26 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.防水改修工事を行うに当たり、既存保護コンクリートの撤去は、ハンドブレーカーを使用し、取合い部の仕上げ及び構造体に影響を及ぼさないように行った。 〔H25 No.23〕外壁改修工事及び防水改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存のコンクリート打放し仕上げ外壁を厚付け仕上塗材仕上げとする改修工事において、下地調整については、コンクリート壁の目違いをサンダー掛けで取り除き、下地調整塗材の塗付けは省略した。 〔H24 No.23〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存躯体のシーリングについて、防水上必要なシーリングの断面形状が確保されていなかったので、既存のシーリング材を撤去した後、ダイヤモンドカッターを用いて目地幅を拡幅し、新規にシーリング材を充填した。
〔H23 No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.既存の塗り仕上げ外壁の改修において、劣化の著しい既存塗膜や下地コンクリートの脆ぜい弱部分の除去については、高圧水洗工法を採用した。
〔H21 No.23〕外壁改修工事及び防水改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、幅が1.0mmを超え、かつ、挙動するひび割れ部については、エポキシ樹脂注入工法により行った。
〔H20 No.23〕改修工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。1.アスファルト防水層を密着工法により新設する防水改修工事において、新設する防水層の1層目のルーフィング張りまで行ったので、作業終了後のシー卜による降雨に対する養生を省略した。
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