Gridgeをお楽しみの皆さん、こんにちは!! TPIトレーナー&JPDAドラコンプロのYanagiです。
2021年のテーラーメイド新作ドライバーは、SIM2、SIM2 MAX、SIM2 MAX-Dの3種がラインアップされましたが、みなさんはすでにチェックしてきましたか?
クラブを買い替えるだけで飛距離が抜群に伸びる訳じゃないとわかっていながらも、新作はどうしても気になってしまいますよね!
私は最近「Krank Golf」のドライバーを購入したにもかかわらず、やはり試打する欲求は抑えられませんでした……。
ようやくSIM2を試打してきましたので、早速レビューしたいと思います!
まずは、「SIM」→「SIM2」で技術的に変わった点から確認していきましょう!
M5→SIM→SIM2となるにつれて、移動式ウェイトの数が減ってきました。
SIM2では、上下に移動するウェイトも廃止され、フェースのすぐ後ろに配置された「スプリットマスウェイト」と呼ばれる固定ウェイトが搭載される形になっています。
SIM2のスプリットマスウェイトには「HIGH MOI LOW SPIN」と表記されていますから、ウェイトの位置で重心深度を変え、スピン量を調整しているのだと思います。
重心深度をフェース側に寄せることでバックスピン量を減少させて、初速アップ&吹き上がらない特性を生んでいるのでしょう。
SIM2 MAX、SIM2 MAX-Dと比較すると、SIM2はハードヒッターモデルだと言えますね。
SIM2では慣性モーメントとスピン量の相反する要素を、このウェイトの配置を工夫することで両方からメリットを享受できる設計になっています。
キャロウェイの新作、エピック MAX LS ドライバーと同様に、SIM2シリーズではスピン量を抑えつつ、慣性モーメントを大きくすることに成功しているのです。
一見、ただのデザインのように見えるソール後方にあるブルーの部分。ここには「フォージドアルミニウム」と表記があります。
SIM2ではチタンよりも比重の軽いアルミニウムを用いることで、さらなる軽量化を図り、SIM以上に余剰重量を生み出しています。
そしてクラブ後方に「イナーシャジェネレーター」として16グラムのウェイトを配置しています。
これによりSIM以上の高慣性モーメントを実現し、スプリットマスウェイトをフェースの後ろに搭載することで、低スピンの強弾道を生み出しています。
能書きはこれくらいにして、試打レビューに移りましょう!
今回の試打シャフトは「Tour AD HD-6(S)」を選びました!
※エピック MAX LSとも比較したかったので……
純正シャフトよりやや重く、トルクも少なめなシャフトなので、遠慮なくブッ叩けます!
クラブ重量は315グラム、バランスはD3.5なので、ドラコン振りをするにはちょっと重くてバランスも出ているという感じです。
Tour AD HD-6(S)のトルクは3.1なのですが、それほどハードに感じさせない、いいシャフトだと思います。
■構えた印象■
ソール部分に丸み(厚み)が増えたためか、構えた印象はSIMよりディープな感じに見えて好印象でした。
SIM2のように、スピン量を減らして球を上げ過ぎたくない人には、いい変化点だと思います。
■スイング中の音■
またSIMのようにスイング中の「ヒョー」っとなる音もそれほど気にはなりませんでした。
この辺りの変化には、いろいろな選手からのフィードバックがあったのかもしれませんね。
■打感・インパクト音■
打感はSIMやM5などと大きく変わった印象はありません。これはインパクトの音がそれほど変わらないという点も影響していると思います。
いつものテーラーメイドが好きという人は問題ないと思います。
※ピンがG410からG425になった時は、打音が大きく変わって、好き嫌いが分かれましたよね……
■試打データ■
ややヒール目にヒットしましたが、一番当たりがよかったデータを掲載しました!
M5→SIMでは大きな変化を感じませんでしたが、SIM→SIM2ではバックスピン量が抑えられ、非常にいいデータが出ました。
通常なら、この位置でインパクトするとバックスピン量は2500回転を超えることが多いのですが、1800回転程度と非常に低スピンです。
適正なバックスピン量はヘッドスピードによって変わってきますが、ヘッドスピードが速いと物理的にバックスピン量が増える傾向になります。
そのため、ハードヒッターと呼ばれる人たちは低スピンモデルを探してさまようのですが、量販モデルでこれほどの数字が出るのは少し珍しいなと思います!
3種類ラインアップすることで、尖ったスペックを作れたのかなという感じです。
ただヘッドの特性としてはつかまりにくく、ややフェード気味になりました。
この辺りはシャフトとの相性もあると思いますが、絶対左に行かせたくない人には最高のクラブですし、ビッグドローで飛ばしたいという人には少し手ごわいクラブかもしれませんね。
SIM2 ドライバーへの買い替えをおすすめする人は
・SIMでもバックスピン量が多かった
・左には絶対行かせたくない
・低中弾道が好き
・ディープヘッドが好き
なタイプですね!
難しめのクラブなので万人向けではありませんが、ヘッドスピードが速くスピン量を減らしたい人はチェックしてみてください!
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GDOギア情報「クラブ試打 三者三様」
100人いれば100通りの答えがある――。注目の最新ゴルフクラブをヘッドスピードが異なる3人の有識者に試打評価してもらう当チャンネル。ミスショットも余すところなくお送りするノーカットが信条のリアル試打コーナー。スイングタイプで異なるレビュー内容、三者三様のインプレッションを基本展開とし、ゲスト試打者にも登場していただく。
テーラーメイド【SIM2 ドライバー】 発売日:2021/02/19
ハイテクカーボン素材は空力性能を向上させ、モノコック構造の「ミルドバックフェースカップ」が慣性モーメントの最大発揮エリアを拡大。低スピン+高弾道、そして高い操作性も備えるSIM2ドライバー。
目次
- テーラーメイド「SIM2 ドライバー」の評価は!?
- 「力強さを継承している」
- オール4点【総合評価4.0点】
テーラーメイド「SIM2 ドライバー」の評価は!?
革新的なテクノロジーと製法で話題を集めるテーラーメイド「SIM2」シリーズ。打感や飛距離性能への注目度が高まる一方で、忘れてはいけないのが、同シリーズ3モデルが同時展開された点だ。今回は3機種の違いを掘り下げながら、限定モデル「SIM2 ドライバー」をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「力強さを継承している」
いつもより高さのあるドロー弾道が出ていた
―率直な印象は?
「『SIM2』シリーズ3機種の中で、前作『SIM』シリーズに一番近い印象を受けます。前作で感じた弾き感や、しっかりした打感が残る。『SIM』に似た力強さを継承しているのが、『SIM2 ドライバー』と言えます」
MAXとMAX-Dとの弾道の違いに言及
―他2機種「SIM2
MAX」「SIM2 MAX-D」と違う点は?
「ヘッドの特性は微小に異なりますが、明らかに違う点は、純正シャフトの種類です。他2機種が『TENSEI BLUE TM50』(以下BLUE)なのに対し、『SIM2』のみ『TENSEI SILVER TM50』(以下SILVER)。『SILVER』は『BLUE』に比べ、打ち出し角やスピン量を若干抑えた弾道が打ちやすく、しっかりしたしなり感で、低めのライナー弾道が出やすいように感じました」
前作SIMから引き続き三菱ケミカルとの共同開発
―「SILVER」と「BLUE」特性の違いは?
「『BLUE』は、かなり幅広い層の人が違和感なく使える、全体的に大きくしなる特性に仕上がっています。クセがなく、ストライクゾーンがかなり広がった印象。一方の『SILVER』は、手元や先の一部が若干硬く感じられ、しなる箇所の好みが明確に出やすいです。硬さSを選べばまず失敗しない『BLUE』と、硬さも含めてよく吟味したほうがいい『SILVER』。違いは前作より明確になったと思います」
同じシャフトで比較したいほどヘッドの違いは微小
―同じシャフトであれば、また結果は違った?
「そうですね。ヘッドの違いは、シャフト以上に大きく感じられなかったので、3機種とも同じ条件(シャフト)でヘッドのみを比較したいというのが、正直なところです。ただ、それだけ『SIM2』のクラブとしての特徴が、他2機種と大きく異なると言えると思います」
ソールウエイト周辺には「HIGH MOI」「LOW SPIN」の文字
―前作「SIM ドライバー」と比べてどう?
「『SIM2』は、『SIM』シリーズに一番近いと言いましたが、それでも前作『SIM』と比べると、強さや弾き感は落ちる印象です。特に、うまく打てた時の弾道には大きな差が見られます。ただ、初採用のアルミニウムパーツや、ボディと一体成型となったフェースの部分で、打感の寛容性という特徴に振った分、ミスヒット時でも芯に当てた時と同じ振り心地で打てるので、やさしいモデルに進化したと言えます」
「前作SIMよりやさしいイメージ」と筒
―どのような人向き?
「多くの人が『SIM2』に、パワーヒッター向きという印象を抱いていると思います。同シリーズ3機種の中では、打ち出し角が低め、スピンが少なめといった立ち位置ではありますが、ハードな印象は『SIM2』にはありません。私のHS(平均40.7m/s)でも、しっかり高さが出て、無理なく振り切ることができたので、難しい印象は全く持たなくて良いでしょう」
オール4点【総合評価4.0点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・シャフト:TENSEI SILVER TM50 (硬さS)
・使用ボール:リトル・グリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトル・グリーンヴァレー船橋
記事特別提供/GDOギア情報「クラブ試打 三者三様」