COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、世界の死亡原因の第3位です(WHO 2019年)更新日: 2022年7月29日
「COPD」は慢性閉塞性肺疾患といい、肺に炎症が起こり、息が吐き出しにくくなる病気です。原因の約9割はタバコで、周囲の人が吸っているタバコの煙でもCOPDになる可能性があります。咳・たん・息切れなどが長く続き、重症化すると自力では呼吸が難しくなります。また、進行性の病気であるため放置しておくと次のとおり病状が進行し、重症化により医療費負担の増大や精神的負担も生じます。
初めのうちは、軽度な症状で見過ごしてしまったり、ありふれた症状であるため放置してしまいがちです。 | |
徐々に軽易な動作・運動でも息苦しさ(息切れ)を感じるようになります。「年齢のせいだ」と見過ごしてしまうこともあり、この頃から徐々に身体活動量が低下し始めます。 | |
進行度2の症状に加え、さらに普段の身体活動量がさらに低下し、下肢等筋力低下、食事摂取の衰えによる栄養状態の悪化、在宅酸素の導入(外部リンク)、肺の障害から血圧や心臓の合併症も出てきます。 |
冒頭の「一度発症するともう元に戻らず…」というのは、肺胞等の肺の組織が一度「破壊」されてしまうと、治療でもそれを元の状態に戻すことはできない(再生しない)と言われていて、COPDを完治させるということは極めて困難ということになります。
COPDの最大の危険因子(発症原因)は「喫煙」!
「受動喫煙」は喫煙同様もしくはそれ以上に危険!
タバコの煙は3種類に分かれていることをご存知ですか?
まずは、それぞれの煙について、ここで改めて確認してみましょう!
喫煙者自らが、タバコのフィルターを通して直接吸い込む煙 |
火のついたタバコの先や燃えかすなどから立ちのぼる煙 |
タバコのフィルターと喫煙者の肺などを経由して、喫煙者の口や鼻から吐き出される煙 |
これらのタバコの煙の中には4000種類以上の化学物質が含まれていて、そのうち約200種類の有害物質、約40種類の発がん性物質が入っています。次の表にある有害物質を吸ったり、吐いたり、吸わせたりしていることを想像してみてください…。
これらの有害物質が要因等となり、COPDを発症することになります。また、心筋梗塞や脳卒中、各種部位の「癌(がん)」などを発症する危険性も高くなります。喫煙や受動喫煙は、決して「健康」になることはないでしょう。
あの時、禁煙しておけば…
あの時、治療しておけば… と思う日が…
お父さん、いつもせきしてるから…、大丈夫かしら…。
その中で、日本における40歳以上のCOPD患者は、530万人と推定されていますが、実際に治療を行っている患者は約17万3千人にとどまっていて、氷山の一角という状態なんです。
そういえば最近、タバコを吸うと、やけにせき込むことがあるな…。喉というか、胸のあたりが何というか…
まずは、COPDに関心を持っていただき、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関で受診いただくなど、早期発見・早期治療を心がけましょう。
おさらいです(COPDのポイントを整理)
- COPDの主な原因は、「喫煙」と「受動喫煙」であること。
- COPDの予防には、タバコの煙を体内に入れないこと。
- COPDは、早く気づき、早めの治療を行うこと。
これを機に、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」に関心を持っていただくとともに、ご家族、友人、知人等でタバコを吸っている方がいる場合は、COPD予防の働きかけを行っていただきますようご協力をお願いします。
COPDに関するリンク集
COPDをもっと詳しく知りたいという方は、次のリンク先のページをご覧ください。
- 厚生労働省(今後の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見のあり方について)
- 一般社団法人GOLD日本委員会(COPD情報サイト)
- 独立行政法人環境再生保全機構(基礎知識とセルフマネジメントなど)
卒煙・禁煙に関する情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット(健康情報サイト)
- 鳥取県(健康政策課の禁煙に関するページ)
このページに関するお問い合わせ先
福祉部 医療費適正化推進室
電話番号:0857-30-8227
FAX番号:0857-20-3906
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Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。
病棟看護師がAさんに行う在宅酸素療法に関する指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1 電磁調理器の使用を勧める。
2 外出時にデマンドバルブの作動を確認する。
3 在宅酸素療法の機材が介護保険で給付される。
4 酸素濃縮器は日当たりのよいところに設置する。
5 呼吸困難時にAさんの判断で酸素流量を変更してよい。