公開日: 2019.03.11 更新日: 2019.03.11
「ございますでしょうか」は二重敬語!正しい日本語の言い換えを紹介!
「ございますでしょうか」という表現をご存知でしょうか。目上の人に対して「◯◯ございますでしょうか」とお願いをする場合もありますよね。では、「ございますでしょうか」は正しい表現なのでしょうか。よく使われてはいますが、実は間違った表現になります。そこで今回は「ございますでしょうか」の正しい言い換え、例文について解説していきます。正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
この記事の目次
- 「ございますでしょうか」は間違った日本語
- 「ございますでしょうか」は二重敬語
- 「ございませんでしょうか」も二重敬語
- 「ありますでしょうか」も二重敬語
- 「ございますでしょうか」の正しい敬語の言い換えと例文
- 「ございますか」が最も一般的に使われる
- 「ありますか」「あるでしょうか」は「ございますか」より少しカジュアル
- 「おありですか」は「ございますか」より丁寧
- 「おありでしょうか」「おありになりますか」は丁寧すぎる
- 「〜ますでしょうか」は二重敬語になるので注意!
- 「いらっしゃいますでしょうか」→「いらっしゃいますか」
- 「おりますでしょうか」→「いらっしゃいますか」
- 「お願いできますでしょうか」→「お願いできますか」
- 「いただけますでしょうか」→「いただけますか」
- まとめ
- おすすめの記事
「ございますでしょうか」は間違った日本語
「ございますでしょうか」は二重敬語
お店に行ったときに、何かを注文した場合に店員さんが「◯◯でございますでしょうか」と言うことがありますよね。 実は「ございますでしょうか」は間違った日本語なので注意が必要です。 「ございますでしょうか」は、「ある」の丁寧語「ございます」+「だろう」の丁寧語「でしょう」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。 「ございますでしょうか」は丁寧語が二つ含まれているので二重敬語となり、誤った日本語ということになります。 ※二重敬語とは、一つの動詞または名詞を2つ以上の同じ種類の敬語で活用していることを指します。
「ございませんでしょうか」も二重敬語
ビジネスシーンにおいて「何かご不明な点はございませんでしょうか」と使われていることがありますよね。 実は「ございませんでしょうか」も間違った表現です。 「ございませんでしょうか」は、「ありません」の丁寧語「ございません」+「だろう」の丁寧語「でしょう」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。 「ございません」と「でしょう」はともに丁寧語のため、二重敬語となります。
「ありますでしょうか」も二重敬語
「ありますでしょうか」は「今、お時間ありますでしょうか」「就業経験はありますでしょうか」といったように使われています。 「ありますでしょうか」は、動詞「ある」+丁寧語「ます」+「だろう」の丁寧語「でしょう」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。 「ます」と「でしょう」と丁寧語が二つ含まれているため、二重敬語となります。
「ございますでしょうか」の正しい敬語の言い換えと例文
「ございますか」が最も一般的に使われる
「ございますでしょうか」は二重敬語のため、他の表現に言い換える必要があります。 「ございますでしょうか」の最も一般的な言い換え表現は、「ございますか」です。 「ございますか」は、「ある」の丁寧語「ございます」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。
例文
- お手元に◯◯についての資料はございますか。お持ちでない方は取りに来てください。
- これで説明を終わりにいたします。何かご不明な点やご質問はございますか。
- ご相談したいことがあるのですが、少々お時間ございますか。
「ありますか」「あるでしょうか」は「ございますか」より少しカジュアル
「ありますか」「あるでしょうか」も正しい敬語表現です。 「ありますか」は、動詞「ある」+丁寧語「ます」+疑問を表す終助詞「か」、 「あるでしょうか」は、動詞「ある」+丁寧語「です」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。 「ありますか」「あるでしょうか」は少しカジュアルなため、目上の人に対して使う場合は「ございますか」がベターです。 「ありますか」「あるでしょうか」は目上でも親しい間柄だったり、同等の立場の人に対して使います。
例文
- こちらの商品を四つ注文したいのですが、在庫はありますか。
- 当社製品につきまして、何かご意見はあるでしょうか。
- 来週お伺いしたいと思っておりますが、何かご予定はありますか。
「おありですか」は「ございますか」より丁寧
「おありですか」という表現があります。 「おありになる」「おありだ」は「ある」の尊敬語です。 「おありですか」は、「ある」の尊敬語「おありになる」+丁寧語「です」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。 尊敬語+丁寧語で二重敬語にはあたらず、目上の人に対して使うことができる正しい敬語表現です。 「おありですか」は「ございますか」よりも丁寧な表現です。 例えば、「ご意見はございますか」でも「ご意見はおありですか」でも意味は同じですが、尊敬語には相手を立てるニュアンスがあるため、「おありですか」の方が丁寧な度合いが高いです。
例文
- ご事情がおありかと存じますが、ご返信のほどよろしくお願いいたします。
- 何かとご都合がおありかと思いますが、お返事お待ちしております。
- 企画についてご質問がおありでしたら、私の方までご連絡ください。
「おありでしょうか」「おありになりますか」は丁寧すぎる
「おありでしょうか」は、「ある」の尊敬語「おありになる」+「だろう」の丁寧語「でしょう」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。 「おありになりますか」は、「ある」の尊敬語「おありになる」+動詞「なる」+丁寧語「ます」+疑問を表す終助詞「か」で成り立っています。 「おありでしょうか」「おありになりますか」は二重敬語ではなく正しい表現です。しかし、どちらもかなり丁寧な表現なので、あまり日常的にビジネスシーンで使用するのには適しません。かえって相手を恐縮させてしまうことがあるので、「ございますか」「おありですか」を使うとよいでしょう。
「〜ますでしょうか」は二重敬語になるので注意!
「いらっしゃいますでしょうか」→「いらっしゃいますか」
「いらっしゃいますでしょうか」はビジネスシーンで電話をかける時にしばしば使われる表現です。「◯◯様は、いらっしゃいますでしょうか」などと使います。 かなり一般的に使われている表現ではありますが、「ます」と「でしょうか」がどちらも丁寧語なので、「いらっしゃいますでしょうか」も二重敬語です。 「いらっしゃいますか」と言い換えのがベストです。
「おりますでしょうか」→「いらっしゃいますか」
「おりますでしょうか」も電話をかけたときに使われたり、出席確認をするときに使われたりします。「◯◯様は出席しておりますでしょうか」などと使います。 「おりますでしょうか」も「ます」と「でしょう」が使われているので二重敬語です。 「いらっしゃいますか」とするのがよいでしょう。
「お願いできますでしょうか」→「お願いできますか」
「お願いできますでしょうか」は依頼する場面でしばしば見受けられますが誤用です。 正しくは「お願いできますか」になります。 「お願いできますか」は正しい敬語ですが、直接的な表現なので、ビジネスシーンで依頼・お願いする場合はあまり使用されません。 代わりに、「〜していただいてもよろしいでしょうか」「〜していただくことは可能でしょうか」などがよく使われます。
「いただけますでしょうか」→「いただけますか」
「いただけますでしょうか」は依頼をする場合に使う表現です。 「資料をお送りいただけますでしょうか」「ご確認いただけますでしょうか」などと使います。 「ます」と「です」はどちらも丁寧語なので、二重敬語にあたります。正しくは「いただけますか」とします。 ただ「いただけますか」は直接的な表現のため、お願いをする場合は「恐れ入りますが、お名前を教えていただけますか」などとクッション言葉を入れるのがよいです。
まとめ
「ございますでしょうか」について理解できたでしょうか? ✔︎「ございますでしょうか」は二重敬語のため、間違った表現 ✔︎ 正しくは「ございますか」とする ✔︎「ありますか」「おありですか」という表現もある ✔︎「おありですか」は「ございますか」よりも丁寧な表現
おすすめの記事
「ありますでしょうか」という表現をよく耳にしますが、これは間違った使い方です。知らず知らずのうちに相手に悪い印象を持たれてしまう可能性もあリますので、正しい使い方を身に着けましょう。今回は「ありますでしょうか」とそれに関連した表現の正しい使い方を紹介します。 目次「ありますでしょうか」は間違い?敬語の正しい使い方と言い換え方
「ありますでしょうか」は、正しい表現?
「ありますでしょうか」は二重敬語で間違い
「あるのか」という疑問文を敬語にすると「ありますか」もしく「あるでしょうか」となります。どちらも丁寧語で、「ありますでしょうか」は、2つの丁寧語を使っている二重敬語です。丁寧語は1つの文に1つだけが原則で、二重敬語は間違った敬語の表現とされています。
「ありましたでしょうか」も二重敬語で間違い
「ありますでしょうか」を過去形にした「ありましたでしょうか」という表現が使われることがあります。過去形にしても二重敬語であることに変わりはありませんので、間違った表現です。正しくは「ありましたか」になります。注意しましょう。
「ありますでしょうか」のよくある使い方の間違い
よくある間違い①「お時間ありますでしょうか」
上司やお客様にアポイントをとるときなどに、ときどき使われているのが、「お時間ありますでしょうか」という表現です。「お時間ありますでしょうか」も、二重敬語ですので、使わないように注意しましょう。正しくは「お時間ありますか」もしくは「お時間あるでしょうか」です。
よくある間違い②「お手元にありますでしょうか」
プレゼンや研修で「資料はお手元にありますでしょうか」などと使われることがあります。この「お手元にありますでしょうか」も、二重敬語ですので注意しましょう。正しくは「お手元にありますか」もしくは「お手元にあるでしょうか」になります。
「ありますでしょうか」を正しく言い換えると?
「ありますでしょうか」は「ありますか」
「ありますでしょうか」を正しく言い換えると、「ありますか」もしくは「あるでしょうか」になります。繰り返しになりますが、「あります」と「でしょう」は、それぞれ丁寧語ですので、どちらか1つを使いましょう。「ありますか」よりも、もう少し丁寧な印象を与えたいときは、「ございますか」を使います。一般的に、尊敬語や謙譲語ではなく丁寧語で使われることが多い表現です。
「ありますでしょうか」の尊敬語「おありですか」
使われることは少ないですが、「ありますか」などのあるかどうかを確認する表現は、尊敬語にもできます。丁寧語ではなく、尊敬語にするときには「お」をつけて「おありですか」となります。
「おありでしょうか」は、丁寧すぎる
尊敬語と丁寧語であれば、同じ文に1つずつ使うことはできますので、「おありでしょうか」という表現は間違ってはいません。しかし、尊敬語が入っているのに、わざわざ丁寧語をつけるというのは、丁寧過ぎる印象を受けます。不自然に感じる人もいますので、使わないほうがよいでしょう。
「でしょう」が必要ない二重敬語と言い換え
「ありますでしょうか」を「ありますか」に直すことと同じように、「でしょう」をとることで正しい表現になる二重敬語はいくつかあります。ここでは、「ありますでしょうか」に似ていてよく利用されている二重敬語と、正しい表現を紹介します。
「いらっしゃいますでしょうか」は「いらっしゃいますか」
電話をかけたときに使われることが多いのが「〇〇さんはいらっしゃいますでしょうか?」という表現です。使われることが多く、すでに一般的な表現なので間違いではないという意見もあります。しかし、文法的には「いらっしゃいます」と「でしょう」の2つの丁寧語がはいっていますので二重敬語です。
「おりますでしょうか」は「いらっしゃいますか」
「おりますでしょうか」は、電話をかけたときに「〇〇さんはおりますでしょうか?」と使われたり、「みなさんそろっておりますでしょうか?」と使われることがあります。
これも「おります」と「でしょう」の二重敬語です。「おりますか」と直すことができますが、「いらっしゃいますか」の方が丁寧な印象になり、使われることが多くなります。
「ございませんでしょうか」は「ございますか」
「ございます」は「あります」と同じく「ある」の丁寧語です。「ございませんでしょうか」「ございますでしょうか」「ございましたでしょうか」は、すべて二重敬語で、「でしょう」をとることで正しく言い換えることができます。
「ございませんか」と「ございますか」は、基本的に意味が同じです。「ございませんでしょうか」を「ございませんか」と直しても問題ありませんが、少し理解しにくく感じる人もいます。「ございますか」と伝えた方が伝わりやすいこともありますので、確認してから直してみましょう。
まとめ
「ありますでしょうか」は、間違った表現ではありますが、アルバイトのマニュアルに書かれていることもあるほど、よく使われている表現です。聞いたときに違和感がない人もいますので、意識して直す必要があります。自分に違和感がなくても、他人からは悪い印象を持たれていることもありますので、本記事を参考に日々の言葉遣いを見直してみましょう。